芸術祭十月花形歌舞伎 夜の部
覚書
先日 演舞場で、猿之助四十八撰の内 通し狂言 當世流小栗判官をみてきました。 国立劇場では、菊五郎さん・菊之助さんの親子宙乗り。演舞場では亀治郎さんと笑也さんが天馬にて宙乗り相勤め申し候。今月は2人で飛ぶのが大流行りのようです。
猿之助さんがお客を喜ばせるためにどれだけ骨を折っていたかを感じました。俺をみにきているお客を楽しませることに命をかける。ある程度、年をかさねないとイヤラしくなるかもしれないな。今のおもだかやさんたちは、それをクリアしているなと思いつつみる。 歌舞伎だけど、新しい道を模索した歌舞伎でした。 俊寛とか逆櫓とか、名作歌舞伎のエッセンスのようなものを多く感じた。てんこもりにいい場面がはいっている。筋も丁寧につくられている。これを飽きずにみせるのは技術がいる。古典の復活の仕方でも こういう工夫がされているものが、猿之助四十八撰なのかな。
亀治郎さんが、小栗判官と浪七と娘お駒を。どうも、初挑戦らしい。そんな風にはひとつもみえず。 小栗判官とお駒を演じ分けるときに淡々としていて 逆にそこが似合っていた。女の美しさ・か弱さを出すというよりも お駒には似合っていた。 大袈裟に演じ分けていなのいので淡々としてみえる。 でもそれは、考え抜いた異なる動きになっている。早変わりの早さや不思議さを出すよりも人が違うという芯を変えてくる。 しっかり違う人になる。正統でかつ自分の味があったように思う。
右近さんの胴八と、猿弥さんの四郎蔵のコンビは手堅い。出てくると場面が安定する。やりとりのテンポもいい。先月の幸助餅以来、ものすごく愛情を持ってみるようになったようです。 夜の部の獅童さんはいいとこなし。 昼にあった華がなかった。せめてひっこみくらい腰を入れて去って欲しいよ。亀治郎さんの浪七のような完璧さは求めないにせよ。 照手姫は、笑也さん。初演の時には馬の脚をされていたそうです。馬、大活躍でした。楚々とした姫でした。亀治郎さんとバランスがいいかも。京人形の時には右近さんとよく似合うとも思った。
なんだが壮大な話でした。うっすら頭痛がしていたので冷静に鑑賞。なるほどなぁ。
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