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2011年11月11日 (金)

『幻の声 ~髪結い伊三次捕物余話~』

肌寒くなってまいりました。人恋しい季節。
髪結新三を観て、宇江佐真理さんの伊三次シリーズを読みなおしたくなった。 宇江佐真理の『幻の声 ~髪結い伊三次捕物余話~』(文春文庫)を再読。
すっかり忘れていた機微を、うっとりと読む。廻りの髪結い(かみいい)伊三次と、深川芸者のお文。若さで自棄になって飛だし、八丁堀の小物としても働くことになった伊三次。借金は終わり独り立ちしている芸者のお文。人生を追いつめられるような問題は起こらないのだけど、なかなかうまくいかない。そのじれったさや、すれ違い もう駄目かと思うけど、ちゃんと気持ちをくむことができスレスレのところでお互いのところに戻っていける様をうっとりと読む。いいなぁ。
この本を読んだきっかけは、確か 橋之助さんが伊三次を演じたドラマをみたから。 酒は飲めず、甘いものに目がない伊三次。お文は、注し向いでいっぱいやることができず不満だ。 そうよね。飲兵衛は、相方にも飲兵衛を求めるもの。伊三次は、飲めないのになぜか格好よくうつる。 冷たいところ、つれないところ。人情に厚いとこもいい。 お文の強がりや、弱いところにも惚れぼれする。 八丁堀の不破の旦那のぶっきらぼうさも、妻いなみの凛としたところも、隅々までいとおしい。 皆、胸にひっかかるものを抱えて生きている。
これは名作です。

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