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2011年12月30日 (金)

『セレモニー黒真珠』

おさるに面白かったよと聞いた 宮木あや子『セレモニー黒真珠』(メテ゛ィアファクトリー文庫)を読む。
葬儀業界の話。人は必ず生まれそして死ぬ。絶対に必要とされる職業。街にごまんといるけれど、同じ「ご愁傷さまです。」という言葉をかけてもらうなら、この人達がいいなと思う愛すべき主人公達。わたしもすっかり気に入りました。
町の中小葬儀屋・セレモニー黒真珠。葬儀社といえば、大村昆がしきる葬儀社。社長は片平なぎさ。2時間ドラマだけどね。
29歳女性・笹島。20代なのに40代に思われるシッカリ者。葬儀社には落ち着きが必要。26歳悩めるメガネ男子・木崎。21歳新人女性派遣社員・妹尾。葬儀社は忙しかったり、暇だったり。 亡くなってしまったからとい言っても、その身体は乱暴に扱って欲しくない。物言わぬ相手だからこそ、ズルもできる。人間性の出る職場なのだなぁと思う。えげつない人間の様には、読んでいるだけなのに、ぐったりさせられる。葬儀屋の仕事って大切なんだ。
悩みや葛藤があるのは、人間だれしも当たり前。自分にも、葬儀屋の仕事にも真剣に向かい合う。しょうがないとか、誰かのせいにしない姿勢がかっこいいです。働きたくても仕事がないのが、今の現実。あー働くことができるのってありがたい。とも思った。
これでお別れという大事なタイミングに 悔いのないよう ちゃんと向き合う手伝いもする。 なんだかズタズタでボロボロ気味だけど、ちゃんと恋愛もする。生きてる!って感じで生きている登場人物は、読んでいて元気になる。面白かった。

妙に喪服が似合う眼鏡男子とか、ラブコメな感じとか、読みやす過ぎるので ドラマ化されそう。しかも薄っぺらくなりそう。あーもったいない。 いらぬお世話だけど。

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