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2011年12月 7日 (水)

『恋文の技術』

今日は、日生劇場12月歌舞伎の初日。あぁ、観たいなぁ。 公演は、わたくしの誕生日に始まり キリストの誕生日に終わります。比べてみると大物気分になれます」。

森見登美彦の『恋文の技術』(ポプラ文庫)を読む。夏のころ読んでそのままにしていました。もう一回読んでみる。恋文の技術というタイトルがすばらしい。
一言で言うと、「いとおしき ぐだぐだ」。
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた一人の男。飛ばされたといって研究の機会を与えられたように思う。仲間達と離れ 淋しい時に人は何をするのか。そうだ、文通だ! すばらしい発想。
無聊を慰めるべく文通修業する。仲間への手紙は、恋の相談に乗ることとなっていく。 自分の想う人に何も届けられないのに人に指南する。これは、自分の想いがまわりまわっている気もする。が、とにかく恋文の師範となる。 妹には説教を垂れ、友人に相談の返事を書き、もちろん本分である研究もする。皆が集う様を想像し、淋しがったりと大忙しだ。1対1の文通なのに、ちゃんと人々の輪に繋がってからんでいくのがみごと。
手紙っていい、断然。

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