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2011年12月29日 (木)

『きみはポラリス』

三浦しをん『きみはポラリス』(新潮文庫)を読む。
大好きなしをん先生ですが、この短編集に通る骨みたいなものをあまり感じないなと思った。どうやら、短編として世に出たものを1冊の本にしたものらしい。 最初と最後に「永遠に完成しない二通の手紙」と「永遠につづく手紙の最初の一文」という話がきているので、全体の一貫性を求めてしまった。 一つ一つは、その特別さがよかったのだけど、ちょっと そこがもったいないように思う。「最強の恋愛短編集」って書いてあったけど そうなのだろうか。余計な思いこみや、余計な宣伝は、本当に余計だ。勝手に全体を通る骨子のようなものを探さなかったら、もっと楽しめたのにと思う。
自分で勝手に考えて、自分ではまっていってしまうことや、家族だからこそ聞けないこと。何をきっかけて先に進むのか。普通の暮らしの中にあることのとりあげかたもいい。
日常生活に起こり得ないような設定の中にある、普通さのとりあげかたもいい。
「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」など、タイトルのつけかたも考え抜かれていていい。
「骨片」の狭い世界で生きていこうとするすごさも好きだな。「森を歩く」の豪快さもあこがれる。「夜にあふれるもの」の答えのでない感じもいい。結局、気に入った。
短編集って紹介が難しいものかもしれない。

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