『こっちへお入り』
年の暮。今年もばっちり大掃除というわけにはいかなかった。うむむ。
去年の暮には想像もできなかったことがおこった年だった。
あの3月11日、会社で大きなゆれに驚き、家にかえるのに苦労し、帰宅後 TVで実態を知り驚愕した。あの驚き、感じたこと、人のあたたかさを再確認したことを忘れずにいよう。年の暮に、再度思いかえした。
よし!がんばるぞという気分になるお稽古小説、平安寿子の『こっちへお入り』を読み返す。柳家三三で北村薫をきいた後、『空飛ぶ馬』を読み返したら 他の落語ものが読みたくなったということもある。江戸の熊さん、八つぁんが暮らしているころの時代の常識。知りもしない世界のことが、心に染みてくることがある。涙することがある。そんな自分に驚きつつも、新しい世界にのめりこむ。 お稽古によって、ただ観ているという状況から1歩進み 名人の大きさがよくわかるようになる。素人のできなさ具合がよくわかるのだ。 そして、のめりこむことの楽しさとは、知る楽しさでもあるのだ。そう、これこれと 現代とは縁遠いはずの世界のよさがわかるところがうれしいのだ。少しづつわかるとことが増えていくのことのワクワクがいい。うなずきながら読む。
主人公の江利は、落語にのめりこみ かつどんどん独学する。えらい。 なぜもっとお稽古にはげまないのかと自分に叱咤激励させるべく、無意識の自分が本棚からこの本を手にとったのやもしれません。
来年は、きちんと自分のやるべきことを遣り通す人になろう。今は、本当にそう思う。長続きしますように。
良いお年を。
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