« 新春浅草歌舞伎・第2部 | トップページ | 『絲的メイソウ』 »

2012年1月28日 (土)

『絲的炊事記 -豚キムチにジンクスはあるのか-』

今日は俳優祭でした。どうだったのかなぁ。 

絲山秋子の『絲的炊事記 -豚キムチにジンクスはあるのか-』(講談社文庫)を読む。
『逃亡くそたわけ』の人だから、そうとう過激なのではと思えば過剰でかつまっとうだった。きちんと料理できるうえでの斬新さ。突飛なことをしようとせず、自分の思い付きを、きちんと試行錯誤し、徹底的に料理する。かっこいい。 努力することが根底にあるのは当然という生活の上で、破壊的なアイデアがある。 筋が通ったところにほれぼれする。
お口は、悪いんだけど きちんとしてる。料理の材料を買うときにも、メモを持参する。いつもメモ持ってるんですかという問いに、「いつもだよ。買い忘れたらどうしてくれるんだよ。」と答える。めんどくさりつつ、真摯に向き合う。ものすごく面白い。絲山秋子さんは文筆業の前に、まず社会人を経験。営業だったらしい。営業で身に着けたものもそこかしこに感じる。毎日通う会社からも、何か自分の礎的なものを築いているものなのかもしれない。
ド迫力の料理。「カパスタ」からはじまる料理。のっけからすごい。食べ物なのに黒い。産業廃棄物的なみた目とは。 寒い日に夏のものを食べるとか。 自分で行うのにあえて修行のようなキビシイことを思いつくのも男らしい。男じゃないけど。 私の中で、愛すべき作家となりました。 
最後の料理は、父親に教わっていた。キッシュ・ロレーヌ 。父上は、ブルギニヨン、ポトフ、ストロガノフなどもお得意とされるそう。ピザは台からとか。おいしそう。 この料理のくだりのハートウォーミングぶりは、短編のようですらあった。ああ。おみごと。

|

« 新春浅草歌舞伎・第2部 | トップページ | 『絲的メイソウ』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/81962/43905396

この記事へのトラックバック一覧です: 『絲的炊事記 -豚キムチにジンクスはあるのか-』:

« 新春浅草歌舞伎・第2部 | トップページ | 『絲的メイソウ』 »