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2012年1月20日 (金)

壽 初春大歌舞伎・夜の部

ひき続き、新橋演舞場にて壽 初春大歌舞伎・夜の部の覚書。平和だった頃の覚書。

夜の部は、「歌舞伎十八番の内 矢の根」から。 曽我五郎に三津五郎さん。はっきり きびきびとしていて気分がいい。後見の活躍もみどころでした。後見という役があってもいいくらいの働きっぷり。 三津五郎さんの矢の根は、精巧にできたお人形のからくりをみるような 掛け軸の中の世界をのぞいたような気持ちになった。人じゃない世界。あんな大きな矢を あんな風に研いだり、あんな格好で寝ようとしたり、絵本にありそうな世界。 年始の挨拶に宝船の絵をいただく五郎、よい夢をみようとさっそく宝船の絵を枕の下に引きうたた寝を始める。単純明快な設定なのでけど、現実離れしていて とにかく めでたく 明るい気分になれる。 最後は馬子から馬を取り上げ 意気揚々と花道へ。馬子よ我慢せい。 これ、毎年1月に観たいなぁと思う。1月なのに、唯一の曾我もの。楽しかった。気に入りました。
続いて、「連獅子」 五世中村富十郎一周忌追善狂言。1年経ちました。子獅子の鷹之資君からは、親獅子の吉右衛門さんに対してみせる感情と 富十郎さんに見てもらおうという気持ち 両方を感じました。 歌舞伎座で観た 一日だけの特別公演、富十郎さんとの『連獅子』を思い出す。あの時よりも ずっと落ち着いていました。緊張を感じさせない程 踊りこんでいるようにみえた。 丁寧に丁寧に、そして動きの意味を踏まえて動いていた。まだ ちびっこなのに、背負っているものの大きさにも負けず 精一杯演じている様子に ジーンとした。 吉右衛門さんよりも背筋が伸びてみえた。 獅子になってもどってきてからも 立派だった。 精一杯頑張るってこういうことかと教えられました。新年にふさわしい演目だった。ありがとうございまPhotoす。
最後は、 め組の喧嘩。
これは、わたくしの携帯電話。 渋さ、おじいちゃんのごとく。 →
さて、「神明恵和合取組 め組の喧嘩」。そんなことぐらいで街中で喧嘩しなくても思う。覚悟を決める程の揉め事か なんて冷静になってはいけません。 そういうのを吹き飛ばす 粋な「め組」の鳶連中を楽しむ。 男寅ちゃんは、おそらく子供と大人の間の微妙な時期だからだと思うが なんだかえらく目立ってしまう。がんばれ。 萬次郎さんのおたくの光君がすーっと細く高くなっていておどろく。私は月初にみたので口に含んだ水で威勢よく足をぬらすところが 若い2人はダバーっとなっていてかわいい。かっこいいお兄さん・おじさま方にあこがれて 徐々にうまくなっていくのだろうなあ。 亀三郎・亀寿の兄弟の出す鳶仲間の雰囲気や、松也くんが頭の坊っちゃんをかわいがる様なども よかった。 粋でいいのだけれども、今火事がおこったらどうするんだいといいたくなるほど、必死に喧嘩してました。 舞台からあふれそうな程と 鳶連中と相撲連中が喧嘩をする。 さっきまで、江戸座で働いてたじゃんという人が鳶になって喧嘩してました。すみからすみまでみどころいっぱい。 喧嘩の原因は、どうなのと思うのだけれども、最初に相撲連中の宴に飛び込んでいって喧嘩した菊之助さんがかっこよかった。そんなに怒るほどの事じゃないじゃんとおもいつつも、その怒りっぷりが素敵と思う。 江戸時代はこんなに喧嘩していたのかしらん。 め組の辰五郎の家、気をもむ女房のお仲に時蔵さん。菊五郎さんとの夫婦っぷりは最高。倅又八には藤間大河くん。いちいち大人の真似をして裾をぱっとはねてから座ろうとするのが、可愛くって仕方ない。お父さんと別の劇場でも、立派に一人でがんばっていました。 纏を手に登場する菊之助さん。これがやりたいって年少の子はあこがれるんだろうなぁ。
目の前に目標がいて、どうにも乗り越えられない壁を感じて奮闘する。 自分が受けた何かを若い人へ伝えるべく、いろんな世代と演じる。 上から得たものを下に伝える。 こうやって歌舞伎は歌舞伎として確立し続けていく。 そんな流れも感じた。 自分の努力はさておき、できる人をひがんだり、運のいい人をねたんだりという今よくあるドロドロした現実と違う。 あこがれの人は歯が立たない程すごく、うんざりするのは できない自分の方。必死にがんばる。そういう世界はいいなぁ。

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