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2012年3月20日 (火)

『神田堀八つ下がり~河岸の夕映え~』

宇江佐真理の『神田堀八つ下がり~河岸の夕映え~』(文春文庫)を読む。『おちゃっぴい』の後日談もあって、この本もいい心持になる本でした。苦労も多いけど自分のせいいっぱいで生きていく。
十七のおちえ。大店暮らしのお嬢さんが火事で焼け出され、御廐河岸に越してくる。大川の流れをみつめ切なくなることもあるけれど、少女が大人になろうとしている期間にある しょうがないですませられない どうしていいかよくわからない じれったい感じがよかった。誰かとつるんで反抗するのでなく、一人ですねたり、ちゃんと考えたりする。川は、いろんな悩みと寄り添ってくれるよという六つの河岸を舞台にした物語でした。
『おちゃっぴい』のあの甘ったれた根性の若旦那が、しっかりと店を考えていたり、しぶしぶ女房にしたはずのあの娘さんとちゃんとした絆が結ばれているのを感じたりするのをみると年寄り気分でよかったのうと目を細めてしまう。人の暮らしに差があるのはあたりまえ。差があることを羨んだり恨んだりひがんだりするのでなく、今自分ができるせいいっぱいができるかどうかが大切とちゃんと気がつく。そうそう、そうなのになぁ。今の暮らしは便利なはずなのになぜこれができないのかなぁ

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