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2012年3月18日 (日)

三月大歌舞伎 夜の部 佐倉義民伝

先日、演舞場夜の部をみてきました。佐倉義民伝。以前も幸四郎さんでみたような記憶が。あの時は泣けた。今月は哀しくならなかった。宗吾が立派で実直な人であるということ。家族もまた清く美しい心を持っているっていうことはよくわかった。
序幕 印旛沼渡し小屋の場から。渡し守甚兵衛は左團次さん。身体の大きな渡し守だが、苦労していそうでした。宗吾を旦那様と心から敬っているのが伝わる。「だんなさまー」と言っていました。以前みた段四郎さんが「だんなしゃま~だんなしゃま~」と切なげに言う声が強く耳に残っています。ここはだんなしゃまっていう台詞なのかと思っていました。普通ここからはじまるものなのだろうか。宗吾のためにと鎖を斬る、命を投げだす行為に至るという気持ちになるには唐突な感じがした。宗吾の帰りを待つ家。下総佐倉の名主である宗吾宅では、妻 おさんがけなげに近隣のものを慰める。こういう抑えた良妻賢母のときの福助さんは本当にいい。所作もきれいだし。 宗吾長男彦七に金太郎くん。小さいながら健気。なんて立派な子なのでしょう。下の2人のご褒美をあげたくなるほどよい子供達。真っ正直に生きている父・宗吾像がよくわかる場でした。梅玉さんは、ちょっとでてきただけでワルさがでていました。
二幕目 東叡山直訴の場。家綱の染五郎さんが、将軍然として大きくてよかった。桜満開の中、渡り廊下が太鼓橋のようになっていて、家綱を中心としてずらっと大名が並ぶ。亀三郎・亀寿兄弟の安定感の横に萬太郎くん、廣太郎くん、廣松くん。太鼓橋の傾斜と前の人の長袴を踏まないようにという緊張感がみてとれて可笑しかった。がんばれ!こうやって並ぶと松也くんももう立派です。
コクーン歌舞伎でみたドロドロとしたあの佐倉義民伝が、いまだにべったりと心にはりついているからでしょうか。清貧の美しさはよくわかるが、ジーンとしなかった。下総佐倉の家を出るときに直訴するということがよくわからなかった気がする。ややもったいない。 コクーン歌舞伎のラストで、宗吾自身のみならず、家族もはりつけになる。念仏を唱える長男に対し、死んでも成仏するな 魂拍となってこの地にとどまり農民を守れって叫んだ宗吾。あの壮絶さが頭に焼きついているので、形式的な綺麗さに違和感があった。 とても印象強く心に残っている舞台というのは、いい。 でもあまり強烈なものも今後に差しさわりが出るなと困った。

於;新橋演舞場
「東山桜荘子 佐倉義民伝 ~宗吾霊三百六十年~  (序幕 印旛沼渡し小屋の場より、二幕目 東叡山直訴の場まで)」
木内宗吾:幸四郎、おさん:福助、宗吾長男彦七:金太郎、渡し守甚兵衛:左團次、幻の長吉:梅玉、徳川家綱:染五郎、大名:彦三郎、友右衛門、権十郎、亀三郎、亀寿、松也、宗之助、萬太郎、廣太郎、廣松

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