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2012年4月16日 (月)

中村座 小笠原騒動

昨日、小笠原諸礼忠孝「小笠原騒動」をみてきました。通し狂言。出てくる人出てくる人悪人すぎて、口をポカンとあけてしまう。えーあなたも悪い人!とびっくりしつつ楽しむ。
七くんのお大の方は貫禄がありすぎて怖い程立派でした。殺しの現場をみちゃったから私も消されるのではと思う程の迫力があった。犬神兵部の新・勘九郎も、超悪人声で存在感ありすぎ。この兄弟怖いよ。正悪入り乱れてのはずが、悪ばかり目立つ。そんな中、数少ない正しい人 小笠原隼人に扇雀さん。心根は立派なのだけど、詰めが甘く必ずやりこめられる。そのおおらかなところが正義側らしくよかった。妹小萩の新悟くんも完全に詰めが甘い組(品がある組)。 何かにつけて、隼人は隼人はというのがおかしかった。若い娘さんかっ。
橋之助さんの岡田良助は、実は悪と替えるところが効いていた。人の気をぐっと掴む間合いがいい。突如ふてぶてしくなり「冥途の土産に聞かせてやろう」っていう台詞が似合う。幽霊がいるならあってみたいもんだ大きな口を叩く。ものすごく堂々として、小物感がなくいい。
それを上回る悪魔の使いのようなドスのきいた犬神兵部。そこから、一転 飛脚小平次になると新・勘九郎らしい 若くひたむきに突き進む性急な若者になった。幕がしまってからも桜席にさわやかに手を挙げて去っていく。あーよかった。性急すぎて早合点しそうな血気あふれるわかものだった。とにかく形がいい。橋之助さんのどっしりと構える岡田良助との対比の華やか。七くんの小平次女房お早の素朴さ一途さかわいらしさにほっとする。一途さ故に可哀そうだし、一途さゆえに恨みの気持ちもわかる。
とはいえ良助女房おかのにとっては気の毒。扇雀さんのおかののいじらしさがよかった。名子役ちゃん娘お雪が殊勲。ちょっとおかしく、ホロリとする。父である岡田良助との対面からは、けなげでけなげで。来世ではどうか幸せに。あんないい娘がと感情移入する。 幽霊を嘲弄していたあの男が、実はきちんと家族を愛し情もある人だった。娘の自害をきっかけに家族が破滅していく。しかし一家誰もが惨劇でありながら父である岡田良助を信じ、安心し、心ひとつになる。凄惨なのに、この展開はすごい。
笠原遠江守は勘三郎さん。最後に現れすべてを見抜き納める。すこぶる立派で大きい。ちょっと可愛らしかった。
狐ちゃんが大活躍したり、蘭平のような大立ち回りがあったり。小笠原の家もめでたしめでたし。ああ、よかった。楽しかった!

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