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2012年4月12日 (木)

『夏天の虹 ~みをつくし料理帖~』

毎回、胸をかきみだされる 髙田郁のみをつくし料理帖の新刊、『夏天の虹 ~みをつくし料理帖~』(ハルキ文庫)を読む。 そしてまた胸をかきみだされ、そして胸を締めつけられました。
心に目指す道をしっかりもっていて、健気に全力でその道に励み、毎日の事もちゃんとして、周りの人にも真摯に付き合い 奮闘し続ける澪に、さらに試練が訪れる。なぜ、こんなにも辛く苦しい道を生きなければならないのであろうか。誰か教えて下さいと心の中で叫びつつ読む。
澪をはじめ、登場人物達は どんなに哀しくても辛くても、にっこり笑う。泣きごとを言ったり、愚痴をこぼしてばっかりでたいした努力もしないこちとら、穴があったらはいりたいです。
なぜ、思い人の小松原さまとの縁談をあきらめてしまうのか。どうしても思いあう2人を一緒にしたい。どうしても。 そんな私の心の中にも、料理人として生きていくことを選らんで欲しい想いもある。 人を喜ばす仕事というのは(おいしい料理を提供するとか、いい芝居をみせるとか 等々)、自分を犠牲にすることが付いて回るのであろうか。 その辛さ、失ったものがあるからこそ ものづごい力で進むことができるのであろうか。 と、考えた。 あれも欲しい、これも欲しいと いい思いをしたがり、 捨てることのできない者の人生には それなりのサイズの器があるのかな。 みながストイックに生きればいいという者ではないけれどね。  そういう道を選んだ娘の生き方を、心の底から応援しつつ読む。人に支えられたいし、支えたい。
哀し柚べしの結末には、もう どうしていいのかわからなくなった。澪の人生は、「雲外蒼天」。そのはず、そのはずと自分をはげましながら読む。
「みをつくし料理帖」シリーズ第7弾、またもや重厚な1冊でありました。

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