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2012年5月25日 (金)

ボストン美術館 日本美術の至宝

東京国立博物館 平成館で開催中の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」 をみてきました。金曜の夜間延長の時に見に行くのは久しぶり。
アメリカのボストン美術館には、すばらしい日本美術の名品が沢山ありました。あれもこれも、いつもボストンにあるのねと思いつつ鑑賞。
入口から入ると、まず仏画。 なんだか違和感がある。なんだろう。額装されているからでした。絵画のように、寸法に合わせてきっちりとした額に入っていると 不思議になんいか違和感がある。軸も、掛けているものと余白が異なってみえる。 巻いた状態で運ばれてきたものは、東博の用意したスペースに展示されており、掛け軸の余白がを感じる展示になっていました。印象が変わるものだなぁと感じた。 快慶作の弥勒菩薩立像がすばらしかった。金箔がしっかり残っている。きらびかやかさよりも、静かにおちついた しっとりとした立像。快慶の若い頃の作品だという。
沢山ある目玉の展示の中の一つが絵巻でした。面白い。ものすごい人だかりなので、閉館間際にそこだけ残しておいて鑑賞。なんとかみることができました。とにかく面白い絵巻でした。
『吉備大臣入唐絵巻(きびだいじんにっとうえまき)』最後の遣唐使として唐へ渡った奈良時代の学者・吉備真備が、唐人のくりだす難問に超能力で立ち向かい、無事日本にもどるスペクタクルな内容。絵巻の絵画は表情豊か。唐についたとたん、高い楼閣に幽閉された真備。先に遣唐使として入唐し客死した阿倍仲麻呂の霊(幽鬼)も出てくる。ん?この話、能楽堂でみたことがある。 新作能『野馬台の詩』でした。あの舞台は、入り組んだ物語なのに面白いとい思ったら、元はこんなに素晴らしい絵巻であったとは。とっぴょうしのなさが素晴らしい。通常の人が訪れることなど夢にも考えられない唐の国の出来事を想像したものであろう。生きてたどりつくだけでも大変なのに、その上 唐のすばらしさを学び取り 更に無事に帰国しなければならない。 現代のNASAが月に探索にいくよりも過酷であったのではなかろうかなどと考えながら堪能。 絵巻の力はすごい。 現代っこ諸君。ゲームなんかよりも、よっぽどワクワクする未知の世界がここにありますぞ!と叫びたくなる面白さでした。碁の対決は、碁石を呑み込んでしまって応戦したり、試験にはこっそり空を飛び 設問を盗み聞きしたりして対決する。聞いている時の顔つきも洒落ていました。
もうひとつの絵巻は、「平治物語絵巻」。保元の乱の3年前にに勃発した平治の乱。ちょうど大河ドラマで放送されているころの話なので、こちらも興味深々。ボストン美術館が所蔵する「三条殿夜討巻」は、源義朝による後白河上皇の拉致と御所三条殿の焼討を描いている場面で、まさに今週の大河のところ!
光琳の描く「松島図」は、光かがやいていて、ああこう見えるかもしれないと面白かった。若冲の「老松鸚鵡図」の鸚鵡は 小憎らしいことを言いそうだった。 曽我蕭白の大きな作品は、人がみな活ききと描かれ何か聞こえてきそう。深山に隠棲した3人の僧が俗世に通ずるからとして渡ろうとしなかった橋をついうっかり越えてしまったことに気付き大笑いしている図。その3人に「仲良し」とつぶやく男性がいたりと見ている人達が小声でいう感想までもが面白かった。
等伯の龍虎図の余白のかっこよさにしびれたり、蕭白の『雲龍図』にはただただ驚く。龍を本当にみたら、全体像などわからず、ただむやみに迫力を感じるだけなのかもしれない。そんな襖絵でした。
ボストン美術館は、東洋美術の殿堂と称されるそうです。一度行ったのになぁ。これらの作品をみたのかなぁ。 とても面白い展示でした。

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