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2012年6月22日 (金)

高橋由一展

今日は、確か演舞場昼の部を観劇するためのお休みの日でした・・・ 気にしない気にしない。
朝から上野に繰り出しました。美術展巡りの最初は、東京藝術大学大学美術館です。「近代洋画の開拓者 高橋由一」をみてきました。
由一の、《鮭》も《豆腐》も大好きです。しっかり由一をみるいい機会。日曜美術館でも予習しました。新・猿之助さんのゲストのコメントも面白かった。さすが、亀ちゃんっていうこだわりがいい。高橋由一の全貌を紹介と銘うったとおり、いろんな由一をみることができて、とても興味深かった。
日本に油絵が入ってきて、どうにかこれをと模索しつつ油絵を描いたころの、迫力のある「和製油画」という絵画も好きなものの一つです。明治維新後に丁髷を落とし、「由一」を名乗る。まさにこの時代の画科。ところがこの時すでに40歳を超していたそうです。すごい。絵が好きという気持ちでなく、洋画を日本に普及させることこそが、自分の果たすべき使命だという強い自負を持つというのです。なんと立派なことでしょう。 俺の絵をみろという思いではない真摯な信念を感じつつ、丁寧に鑑賞しました。
《豆腐》がなかったのは残念。《鮭》は藝大所蔵品だけでなく、日動火災と山種の所蔵品も出品されており、3点並べて鑑賞というぜいたくさ。切り身の身の部分の大きさが異なり、その効果がよくわかる。板目を効果的に見せる展示方法も面白かった。額はそれぞれの美術館の所蔵状態のままだそうです。山種のものだけが、すっきりとしていて、何ももってくるかとい点も面白かった。
描かれた作品をみて、j本人が怒ったという逸話のある《花魁》。本物は、思ったよりもきれいに描かれていました。その環境をも描いたというけれど、花魁になるだけの器量を彷彿とさせるところも、感じました。 日曜美術館情報によると、仕事のために着飾ったのではなく、お座敷のない時間に、描くためだけに着飾ったので多少本気でない装いなのではと言っていました。真摯に描く由一の前では、その少々の違いさえもそのままにしっかり描かれているようでした。《甲冑図(武具配列図)》は、鎧、兜、弓矢、太刀、武具、甲冑の素材の違いの描きわけが面白く、見飽きなかった。紐は、触ったらけばだった感触が触れるような気がした。細かく描かれているのに、甲冑の持ち主に敬意を示すというような想いが感じられなかったのも気になりました。
留学経験がなく、本場の西洋画を知ることはない。写実に挑んだ男が生み出した油絵は、伝わるものも面白かった。
風景画が数多く展示されていました。明治初期だから、もう東京であろうに、描かれた世界は江戸でした。庶民に馴染みのある江戸の名所地を 下書きと合わせて並べて展示していました。人は頭に髷をゆい、ひたすら歩く。時には馬を頼んで乗る人もいる。この時代に、立派な橋がかかっており、どうやってかけたのか不思議に思う。近代化される直前の土地の記録として、おおいに意義があるスケッチであるが、絵としてみるだけでも楽しい。沢山の作品を、たっぷり鑑賞。満足。
満足気分で売店へ。鮭グッズがたくさん。目移りする。てぬぐいやメモやクリアファイルという好きなものがはいった福袋的なお得なセットを購入。お目当てのリアルな鮭ストラップは在庫ぎれでした。後日届くように手配。うしし。
最後に食堂へ。平日だけあいている大浦食堂というところに入ってみました。学生が沢山いたので、ここにいていいのかどうかためらい、受付に確認しにいっちゃいました。不慣れな中、学生さんと食堂のおばちゃま達が新設でした。特別メニュー「由一鮭定食」をたべてきました。鮭・ガーリックオイル焼にご飯と味噌汁、冷奴というメニュー。洒落てます。藝大の学生さんの話を小耳にはさみながらいただきました。若い会話でした。

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