『ザ・万歩計』
『ザ・万遊記』を読んだら、読み返したくなった。万城目学の『ザ・万歩計』(文春文庫, )を再読。やはり、名エッセイです。
けっこう繰り返し読み返しているので、内容はだいたい覚えている。書き方がうまいとなんど読んでもいい。
人生において、阿呆な体験を積み上げることはできても、こういう風に活かせることはないな。言葉を大切にしているところもいい。学校の先生のことや、授業が、こんな風に自分の財産になっているなんて。ふわーっと生きてきて、子供の頃のことを全然覚えていない自分が、もったいなくてしかたない。 おお!自分も文章を書いていいのかと気付くことになったくだりも、好き。 若いころ、ありあまる時間にまかせて無駄に本を読んだり釣をしたりする。そうだったかなぁ。あんなに時間があったのだから、何かすればよかったという時を過ごしたことも養分になるのだな。
小説を書くこと、エッセイを書くことは違う。プロはすごい。万城目学万歳。
やっぱり、この本の篤史の描き方は、『ザ・万遊記』の中の篤史への愛と比べ、格段にすぐれている。フェルメールの複製画で構成された天覧会にいったときに、篤史の「フェルメールの光だ」というコメントを思い出したくらいだもの。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 職務経歴書 | 2012年6月19日 (火) 15時47分