『インディゴの夜 Dカラーバケーション』
加藤実秋の『インディゴの夜 Dカラーバケーション』(創元推理文庫)を読む。
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」。全く共感できない。でも、この本は面白い。
ホストの中でも異色な、渋谷系の乗りのいいホスト達が、ベテランホストになる。ベテランに! 若い時は、年齢が上の人を小バカにするところがある。この感覚、感性を失っちゃった人達と。大人になってみると、なんとも青くさい話である。しかも、寛容に許すこともできる。だって、絶対に人は年をとるからね。
完璧なホストらしい憂夜。この人の服装は全くわからない。行動が一環してパーフェクトならば、人は自然と尊敬し、発言に力も付くものだ。
ホストの世代交代というのは大問題。若手ホスト君達が入店。一部二部とわけての営業。乗りで稼いできたベテランホスト君が、若者の無気力な感じに腹を立てる。わかるわ。読んでいてムカっとする。やる気がないんだかなんだか、あつくなることがない。あの冷めた感じ。それでも、かかわることをやめなければ、何か繋がりが生まれる。今度は、年代の差を描いたのか、うまいなぁ。
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