『インディゴの夜 ホワイトクロウ』
加藤実秋の『インディゴの夜 ホワイトクロウ』(創元推理文庫)を読む。
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」。全く共感できない。club indigoが開店三周年を向かえ、リニューアルオープンすることになる。内装を依頼した人気の有名インテリアデザイナー。改装工事中にトラブルに。といつものようにホスト探偵団と、オーナー塩谷さんと同じくオーナーである主人公の高原晶が、謎を解く。刺青師とか、強盗団とか、極端な世界。でも、この本は面白い。
主人公というか、軸になるのは、高原晶。この本に関しては、ホスト達に焦点があたる。ホストくんも、店を離れると普通の男子であり、それにけっこういい奴だったりする。御近所付き合いもあり、むしろいい兄ちゃんに属するくらい。 ホストじゃなくてもいいようなと思いつつも、ホストだからこそ、人をよくみているのだな思ったり。
ホストとして生きる。この道を選んだ覚悟というような仰々しいものはないにせよ、普通と異なる職業で飯を食うという意識はあるようだ。折り合いの付け方のようなものが、うまく描かれていた。ホームレスも登場。彼らは、また違う生き方を選んだ人。自由なんだか自由でないのだかわからないな。それぞれの暮らしには覚悟がある。それをさらっと書いている。ホストに探偵をさせて。うまいな。
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