7月初日 夜
7月歌舞伎 夜の部をみてきました。初日は、やっぱり違います。思いこみもあるでしょうが、客席の愛情が濃厚な気がします。
夜の部の2大演目は、暗い。舞台の照明がね。しっかり話を頭に入れて、その心の機微を楽しむ演目でした。間に、口上と、楼門五三桐という明るい舞台。照明がね。暗い、明るい、暗い、明るいでした。じっくりと楽しむ演目と、明るく華やかな演目をはさむのは面白い。
口上は、猿之助さん、中車さんと團子くん。猿之助さんの横には團さま。そして海老蔵さん。全員海老茶の裃。まさかり髷。おお。市川宗家のお二人の髷は、油付でよりすっとしていました。おこちゃまの團子くんは違うけれど。6月のようにずらっと並ぶのもいいけれど、この内輪の特別感も面白い。團さまのお披露目のお話は、のどかで雰囲気が柔らかくなりました。和らげるつもりではないのだけれど、なんだかにっこりさせられてしまう。そこがいい。パリ公演の話になり、「昭和19年」に團さまと海老蔵さんと亀治郎さんと訪仏したときのエピソードを語っていらっしゃいました。昭和19年じゃ、まだうまれてないよ~とみんながニコニコ笑っている中、全く気がつかずお話を続けてました。團さまですら生まれていないのに。
最後に『楼門五三桐』。たった10分たらずの一幕を、これだけ豪華にすることのできるアイデアは流石だと思った。猿翁さんは8年ぶりに舞台で芝居をなさったそうです。ただ、登場するだけでも、あんなにパワーがあったのに、台詞を発し演技をするということで 何倍もパワーを出していました。 客席には感極まってな涙する人があちこちに。芝居をする猿翁さんを見守るおもだかや一門の視線のあつさにも、感じるものがありました。みんな待っていたのだなぁ。よかったですね。黒子までも紹介し、それが中車さんだということも、胸をあつくしました。でも、会場のあまりの感動ぶりには、ちょっとドギマギしました。状況がわからない人には、何がこんなにあついのかちんぷんかんぷんだろうなぁ。海老蔵さんもいつにもまして迫力を出していました。 負けてられないものね、五右衛門が。すばらしかった。本当にすばらしかったのですが、翌朝の報道では、楼門五三桐のこの場面のみ。新・猿之助さんのことも、きちんと紹介して下さい。まったく、もー。
奮闘の「将軍江戸を去る」や、すごかった「黒塚」のことなどまたおいおいと。
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