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2012年8月10日 (金)

『陽だまりの彼女』

つづいての越谷オサム『陽だまりの彼女』(創元推理文庫)を読む。いゃあ切なかった。幸せすぎるって、こんなにドキドキするものなのであろうか。
なるほど、これは本屋さん平積みになるな。中学校のころおバカなあまり、いじめられる子がいる。ある日、その子へのイジワルを発作的にかばいなぜだか自分までクラスで浮いてしまう。そこの、大人になれば克服できるけど、子供のときはこの先状況が変わるなんて思えない閉塞感みたいなものがうまい。あと、正義感。道徳的なこと、これはしていいことか悪いことかの基準が、子供の方がよくわかっているところがある。場の空気を読んだりできないし。
そんな2が、働きはじめてそこそこの下ッ端社員になる。そして出会う。
あーあの娘がこんなにかわいくなっちゃってとか、いとおしくてしかたないとか、きらわれたくないとか、かけひきのへたくそな2人の様子がいい。
すごく好きで、すごく緻密に調査し、それを知られるときらわれるかもと悩み。大変なことばっかりで、そしてすごく幸せ。
言いたいことも、好きの方が勝っちゃう2人。幸せすぎる2人。まだ半分も読んでいないのに、こんなに幸せでいいのかしたら。幸せなのに、幸せが不安を呼びドキドキする。そう文書に操作された。途中で読むのをやめられないひっぱる力のある本でした。
とってもすてきな本だけど、この顛末を自分がどう思うのか。心がきまらない。ゾワゾワする。そしてとても気に入った。これまたいい本でした。

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» 読書日記368:陽だまりの彼女 by越谷 オサム [書評:まねき猫の読書日記]
タイトル:陽だまりの彼女 作者:越谷 オサム 出版元:新潮社 その他: あらすじ---------------------------------------------- 幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の…... [続きを読む]

受信: 2012年8月29日 (水) 23時31分

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