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2012年9月 6日 (木)

『裏方物語』

本棚に入っていいた本を、久しぶりにひっぱりだしてきて読む。千谷道雄『<舞台裏の人々>裏方物語』(ハヤカワ・ライブラリ)。歌舞伎の裏方の人の話。とにかく古い。戦争前とかじゃなくて江戸時代では?と思うほど。戦争で環境が狂い歌舞伎に戻ってきた人とか、必ず戦争の影がある時代。
名優の影響力の強いこと。鶴の一声ってこういうことだと思う。今も、観客が預かり知れない深い世界があるであろうが、絶対的に君臨している姿が見えるよう。
暮らしぶりに差があることが当たり前の世の中。その中で自分の地位を地道に築く。積み重ねた物は、若いものにはまるでかなわない。厳しいけど、いい世界です。歌舞伎にかかわる世界では、今でもこういう正しい年功序列が生きている世界だと思う。
この本の世界は、古くて面白い。楽屋を廻ってお菓子を売る行商とかもあったらしい。時代小説に、楽屋を廻って櫛や簪など行商をする人が描かれていたけど、それは昭和まで続いていたのですね。たぬきに化かされた話なんて、想像することも難しい。化かされたとか、あれはタヌキがやったんだなんて考えは、思い浮かびもしない。妄想家のつもりだったけど、まだまだ修行が足りないなぁ。

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