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2012年9月 4日 (火)

『楽園のカンヴァス』

おさる絶賛の本を読む。原田マハ『楽園のカンヴァス』(新潮社)。感動した!
8月の夏休みの時にゆっくり読む。夢中になって読む。ルソーの『夢』という絵画は子供のころから印象にあった。おさななじみのおさるが大好きといっていたのも、印象に残るきっかけになっている。あの不思議で、濃密な空間はうまく言葉にできない。でも、作家にはできる。絵画を解説するよりも絵の質感を感じることができるように。創作だけど、事実を壊さないように。丁寧に、緻密に、大切に。好きだという思いが強すぎて、底に流れる空気が伝わりにくいくなることもない。
伝説のコレクターに、突如召集される2人のルソー研究者。熱心な研究者ではあるが、片や日の目をみず、片やその研究心に蓋をしめている。壁はあっても、絵のそばにいる仕事をしていることで心は平穏でいられる別の2人が呼び寄せられる。実在することすら疑わしい、伝説のコレクターが、世にしられていないルソーの絵画を持っているという。これは真作か、贋作かと問う。一緒になって、作品に、ルソーの物語にひきこまれる。学術的根拠を聞きたいし、そんなこと吹っ飛ばしたくもある。あー今すぐニューヨークにいって、あの絵がみたい。そういう情熱的なことをしてもいいかなと思った。
狂おしい程の情熱を「絵画」というものにむけた人のくだした決断に、震えた。ああ。
とりあえず、大原美術館に行こう。来年早々に、上野にエル・グレコ展がくるのもうれしい。美術万歳。
原田マハという人はすごい。『キネマの神様』にも心ゆすぶられました。これは、また違う感じで心をガシガシと掴まれた。

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