« ジェーン・エア | トップページ | 狂言ござる乃座47th »

2012年10月30日 (火)

『1Q84』

9月に村上春樹の『1Q84』(新潮文庫)を6冊続けて読みました。単行本発売時のお祭りさわぎすごかったなぁ。せっかく文庫になったのに、ゆっくり読むタイミングで読みたいと楽しみを先伸ばしにしておいた。読んだパンダのカバーをもらおう!という物欲的なきっかけで読む。6冊続けて(途中で1年待たずに)読むことができてうれしかった。やめられないもの。ばーっと読んじゃうのももったいないけどね。
村上春樹を読んで、どう思ったのかあらわすのはとても難しい。世界感がいいとかいうのも、ちょっと違うと思う。好きというより、この気に入った感はなんだろう。 すごい成功者(お金持ちだったり有名人だったり)が主人公ではない。こうやって書いてみると俗物的な言い方だなぁ。普通の暮らし(普通じゃないけど)の中にあること。いかにして人の芯になるあるものに 自分で気がつくかということを考えた。 物だけでなく機会やいろんなことに囲まれて飽和した毎日を過ごしていると(仕事と家の繰り返しでも)、みえないかもしれない。なくしちゃうかもしれない。 さっぱりとした暮らしにあこがれながら、いろんなものにしがみついているから、そう思うのかもしれない。
青豆、天吾、ふかえり。すごく魅力的です。麻布の夫人もタマル氏も、そのプロフェッショナル振りにひかれる。牛河のアクの強さにも。 宗教は自分で選んで信じるものと思ったが、それは無宗教をありとする日本の風土だからだ。そして日本にいても、のがれられないものもいる。深く信仰する家にうまれた子供もまたしかり。 最初は自分の信じる正しい道であっても、それが集団となり、手に負えないほどの力を持ってしまうと今度はあり続けることに力をそそがなくてはならなくなる。答えのわからない社会問題も、「仕方ない」以外の道を自分で切りだすところをみせてくれた。それによって背負うものも。とるべきこのを、自身を犠牲にして得たからこそ、余計なことが不要であり、大切なものもみえるのかもしれない。すごい本です。 
淡々と暮らす。本当に大切なものがあればいい。それが私の理想とする暮らし方なのかな。と、この本を読んで思った。 はなしの筋や、それ以外のことにも心をゾワゾワさせて読んだ。私の人生で握りたい手のこととか。
堪能しました。

|

« ジェーン・エア | トップページ | 狂言ござる乃座47th »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/81962/47653209

この記事へのトラックバック一覧です: 『1Q84』:

« ジェーン・エア | トップページ | 狂言ござる乃座47th »