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2012年11月26日 (月)

万作を観る会

週末、国立能楽堂にいってきました。万作を観る会を観賞。
最初に、連吟「御田」。内藤さんと地謡のが掛け合い。加茂明神の神主と御田の田植えをする早乙女たちとの掛け合い。豊作だけでなく恋の艶もあろうとは、ただ聞いているだけではわからない。が、わかるとじわーっと面白い。まだまだ染み込む余地の方が多そうだけど、緊張感があり、若々しくとてもよかった。
続いて、「附子」石田師の主のあとに出てくる太郎冠者と次郎冠者は、遼太さんと中村さん。若い2人らしいきっちりとした味がよかった。清潔でした。じっくりと見れば見るほど、いい演目だなぁと思う。
続いて、「月見座頭」はしがかりをコツコツと、万作師の杖の音が小さく響く。この音に耳をすませるところからの幕があけるのがとても好き。月見に虫の声をめでる。目がみえないからこそ、虫の音がより心に響く。楽しそうに虫の名を語るところはススキが広がる野を想像する。めをあいたまま目を閉じているような気分。そこへ男がやってくる。萬斎師。2人は野で語らい、男のもってきた酒を酌み交わす。目が見えないくても舞いをみせ、舞ってかえす。便利さを手に入れた代償に失ったものだなぁ。しみじみ考える。
男が目のみえないものを残し、去る。いい気分で歩いて行くうちに、ふと考える。盲目のものと楽しんだことに対してと全く逆の気持ちがわきおこり、とって返し男に辛い仕打ちをする。なかなかこの場の味わいに納得する気持ちがみつからない。あぁもうすぐ豹変するなとどきっとする。次はわかるのではと思い観る。難しい。
休憩後、最後に新作狂言「食道楽」。北大路魯山人の著書『春夏秋冬料理王国』所収の狂言。大名に万作師。齢100歳を超えてなお、丈夫で食事は美味しいという大名。大名が寝ると、その身体のパーツたちが誰が一番お役に立っているかと競う。目の石田師か、鼻の深田師か。口とか胃とか手とか、いろいろ意見を述べる。耳の高野師は女性言葉でした。心は萬斎師がまぁまぁもめるなと言い、心がなきゃ動かないと自分を一番という。言葉遊びもまんさい。大名がおきると、パーツ達がすっと寄り添い顔になる。中正面の席でしたので、けっこうちゃんと顔になており、ほぉっと思う。新作でしたが、奇をてらわず(うけを狙わず)丁寧さが目立つ。品を重んじる。さすが万作家だなぁと思いました。

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