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2012年12月27日 (木)

『白いへび眠る島』

仕事のあとに、築地本願寺に行ってみました。間に合わないとは思いましたが、行くだけ行ってみたかったので。一般受付は終わってしまっていましたが、門のあたりからも会場の遺影がみえました。沢山の人が静かに集まってきていました。本願寺から、車が出るところでしたのでお見送りをしてきました。中村屋って声が沢山かかりました。「ありがとう」も。拍手の中、静かに車が出て行きました。勘九郎さんと七之助さんが車の中から丁寧に会釈していました。その手に遺骨とお位牌がなければいいのに。実感するのは辛い。寂しい。
すてきなものを沢山みせてくれて、わくわくさせてくれて、どうもありがとう。ずっと覚えています。大好きです。

三浦しをん『白いへび眠る島 』(角川文庫)再読。これまた忘れていて新鮮に読む。
今も古い因習が残る過疎の進む島。しきたり、因縁、伝説そういうものの中で年寄り達が暮らす島が拝島。高校で島を出た悟史が夏休みに帰省。島に残る幼なじみの光市は、そんなしがらみを物ともせず、漁師として一人前になりしっかり地に足を付け暮らしているようにみえる。そのようにみえるだけであって光市の中にあるものや、島を出た悟史が島に抱く疎外感という冷たい感情がよかった。肉親だからこそいがみ合い、不思議な能力だからこそ隠し、余計こじれていく。十三年ぶりの大祭の前に、言うのもはばかられる怪物『あれ』の噂が出る。人知れずすごい戦いがあり、そこにすむものは何もしらずその犠牲の上に保たれた安全を享受する。それでいい。
自分が矢表に立つのは困るくせに、憧れたりする。「持念兄弟」と特別な縁に惹かれ、持った責任の重さにおしつぶされそうになる。すんなりいかない生き方がすごくよかった。

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