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2012年12月31日 (月)

『むかしのはなし』

今年ももう今日でおしまい。お部屋が片付こうと片付くまいと年は変わるのであった。そこそこ清潔になったのでこれでよしとしました。

三浦しをん『むかしのはなし』(幻冬舎文庫)を再読。冒頭に昔話が載せられ、その後に短編が続く。7編の短編。よく知る昔話を読んだ後に読む。どうしてこの並びなのかなと思いつつ読んでいくと、何かつながるものがみえてくる。水知らずの人の生活でも、同時代ということで、何かながりがでてくる。本人達すら気がつかないうちに。この昔話との関係と、短編の関係を考えながら読みすすめる。半ばすぎに、三カ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡するとわかる。抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗ることができる。死にたくないという恐怖が落ち着き、大地も空気もない宇宙で命を長らえることってどうなのだろうと思う。大災害があると「普通」ってなんてすばらしいのだろうと気がつく。いつもどおりのかわらない暮らし。破壊王のようなモモちゃん。常識あるが一番恐れる理屈を超えた暴れん坊。でも彼は「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と落ち着いている。状況が変わる時に、人は人とつながっていたいと切に願う。その時に一緒にいたい人は誰なのか。そもそもいるのか。つながっているために言葉がある。生きてきた人の口を伝って今に残されている昔話の力ということなのか。ハっとして、読後もう一度読み直した。
伊坂幸太郎の『終末のフール』も読み直してみようかな。

歌舞伎座新開場 あと92日

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