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2013年1月31日 (木)

浅草歌舞伎千穐楽・夜

「毛谷村」で幕あき。愛之助さんの六助と、亀鶴さんの弾正の試合。ここだけで、すっかり六助=いいひとにみえる。大きな男です。
お園の壱太郎くんは、相変わらず落ち着いて、きちんとしっかりと演じる。でも顔がかわいくどうしても子供っぽい。うまい、子供、うまいと忙しく思う。そして、つい目を離せなくなる人です。その場をあらわす表情が、100%細かくその通りでそこもかわいい。一等面白かったのは、ご飯を炊こうとやたらめったらと薪をくべるところ。うっかり声をだして笑いそうになっちゃった。あんなに投げ込むのみたことない。面白すぎわ、壱太郎くん。大好きです。
愛之助・六助は、急に惚れちゃうのもなっとくの強く大きな男。お園のとんちんかんな程の惚れっぷりもよく出ていて、だれることなく面白かった。松次郎改め松十郎さんに斬りかかられているのに、そんなの目にはいらないって感じで六助に説明するのお園。現実離れっぷりもよかった。時蔵さんがするともっと力持ち感がでるのですが、そこまで満点を求める必要もありませんね。斧右衛門でまたも、海老蔵さん登場。情けない顔が新鮮で、どうしても目立っちゃう男でした。本当に一日全部の演目に出ているのね。愛之助・六助と壱太郎・お園は、台詞も所作もよく、義太夫のノリもよかったなぁ。
「口上」とうとう、最後の日まで睨んで下さったようです。あれ?今年は風邪をひかないはずなのに・・・花道の出で足がふるえ声もふるえ、ほろ苦い思い出があるという弁慶。15年ぶりに父に習い直して挑戦ということを聞くと、見ているこちらも気合が入ります。また15年後にここで演じたいと。その時自分がいくつかは考えないことにした。(となりのおばさまは、あら生きてないわとつぶやいてらっしゃいました。大丈夫ですとも。) こうやって口上を聞いていると、あーそうだ青年なんだ。素直な人なんだ。と思う。
先祖の位髪を力草にと、しっかり睨んでもらう。すごいオーラです。昼は3階でみていたので 1階におりてきて近いは迫力満点ではドキドキしました。
最後に「勧進帳」。久しぶりに、震えました。びっくりするほど気迫のこもった、すごい勧進帳でした。ブラボーと外人気分になるほど、しびれました。最後、弁慶が花道をひっこんでもしばらく拍手がやまなかった。若い人達の勧進帳であったが、この日のこのなみなみならぬ空気を作ったことは若い人達だからこそだ。再登場することはなかった。それでいいなぁ。この沢山の拍手はきっと聞こえていることでしょう。 
太刀持は、團さまの部屋子となった市川福太郎くん。成田屋贔屓として、応援させていただきますぞ。 義経は孝太郎さん。どうなるものでもないならいっそ、お前たちの手にかけて欲しいという主。必死にとどめると弁慶よきにはからえ候へという。もう命掛けでお守りします!という気迫がこの花道のところからひしひしと感じられた。花道すぐそばだったのでもうこっちまで緊張です。孝太郎・義経は、彼らに静かに全面の信頼をよせていました。運命なら受け入れようという感じ。はじめの頃みた時ににはは弁慶・富樫の組み合わせばかりに目がいったけれども、義経・弁慶・富樫という形がみえた。四天王は松也くん・壱太郎くん・種之助くんに、市蔵さん。松也くんのりりしい顔つきと声が特によかった、若々しい3人が必死に迫ってくるのをしっかり押しとどめていてよかった。四天王は無駄な動きをせずに存在感たっぷりでいなければならない。挑んでいる感じもよかった。
海老蔵・弁慶に対する愛之助・富樫がよかった。2人の間の緊張感がすばらしい。この呼応をみにくるのだと思う。勧進帳を読めと言われおもむろに取りだす。そーれーとあの低い声で始まる。じわじわと義経・弁慶・富樫3人の緊張感が高くなる。勧進帳を睨みつける弁慶、覗き込もうとする富樫、笠にそっと手をかけ少し視線を上げる義経、息が詰まるこの一瞬。そしてはっとはきだし緊張が途切れる。こういう見せ場というものを、一つづつ発見していき、どんどん面白くなった。歌舞伎ってこういうことの積み重ねだ。何度もっみると、わからなかったことが少しづつ解明されてくる。勧進帳もその宝庫だ。そして、こういう風に手に汗を握るくみあわせだとなおさらいい。主を打ちゃくする弁慶の必死さ、今は疑い晴れたと言われ安心する様、全てわかって通す富樫の判断、我が身を救おうとしてくれた弁慶にそっと手を差し伸べる義経、飛びすさって後ずさりする弁慶、ひとづつつが手順でなく、積み重なっていき魅せた。延年の舞でお酒を口にしてからの弁慶は少し言葉は酔いすぎで聞き取りにくくなったのた惜しい。そこは雰囲気でいいのでは。でも、もういい、存分にはしゃぎたまえという気持ちなった。今のうちにと義経一行を一緒になって見送る。最後、花道に一人残る弁慶。目をこらし、どれだけ先にいったのか見守るところにジーンとした。富樫への一礼も背中にしっかりでていた。やり遂げた顔で、しかしまだまだ続く道を守るため、六法でおいかけていく。あーこれは飛ぶように行くはずだなぁと心からそう思った。だから飛び六法なのかと勝手にすごく理解して、感激しちゃった。いやぁ、いい勧進帳でした。ありがとう。

歌舞伎座新開場 あと61日

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浅草歌舞伎千穐楽・昼

1月最後の日に、すべりこみで感想を。
「お年玉ご挨拶」は、孝太郎さんでした。ベテランのゆとり。上手に集中させますなぁ。拍手のお稽古は誰よりもうまくもっていっていました。ライブだ、YAZAWAと言うとは。昼の部の拍手は、とても多かったように思う。幕があいたら大きな拍手、登場したらまた拍手。対面の並び大名や、極付幡随長兵衛の舞台番にも大きな拍手。がぜんやる気がでるだろうなぁ。やわらかいトークでも最後に正座をし、隅から隅までずずずぃーっと と口上を述べるとばっちり歌舞伎になる。歌舞伎役者ってすごい。
「寿曽我対面」
初日にみて、五郎の松也くんの力みすぎを多いに心配した。力入れすぎで反りくりかえちゃっていたから。ひきかえ十郎の壱太郎くんは、たっぷりたっぷり藤十郎さんのようにたっぷりとしっかりと台詞を言う。所作もきれい。でも若さがちょっとアンバランス。これは年月が解決することだけど。若いのに落ち着いてたっぷりすぎ、かつ子供っぽい。不思議に目の離させない人です。いつも注目。五郎十郎は、いいコンビではなかった。呼吸とか。松也くんは800%ぐらいの力で、叫んですらいました。梶原・子の新十郎さんが、朗々とした声でたからかな台詞を言うのがきれいだったのでひっぱれたのであろうかとか、いろいろ考えてしまいました。松也くん、他の演目はとてもよかったのに。いつかきっと荒事もうまいこと緩急がつくようになって欲しい。ちょっと驚きの対面でした。
大磯の虎の米吉くんはやはり色っぽい。でも、米吉くんも梅丸くんも傾城の衣装に埋もれてしまっていました。あれを着こなすのって大変な事だったのですね。工藤の海老蔵ちゃんは、どっしりとして、子供歌舞伎になりそうな場を納めていました。鬼王の亀鶴さんと。 特筆すべきは、舞鶴の新悟くん。うまくなったなぁ。こんなに上手かったかしらと思うほどの成長ぶり。キリっとしている上に柔らかみもあり品のあるいい舞鶴でした。
昼の最後は、「極付幡随長兵衛」。実は、これはそんなに期待していなかった。大の海老蔵贔屓なのに。だって、長兵衛には若すぎるもん。時節を待ってもっといい長兵衛をって思った。それにどうせ水野のやろうに殺されちゃっていつも後味の悪い思いをする演目だったので。 ところがどっこい。初日にみてハートを居抜かれましたよ。かかかかっこいい。昼の部は、初日と千穐楽しかみないので(充分なのか・・・)、もっと切符を取ってもよかったのではと考えちゃうほど、よかった。最後、湯殿で殺される際に、思わず水野が「殺すも惜しい」と言うがそのセリフがすごく効いていた。本当に惜しいような格好のよい長兵衛だった。仁義があって、頼もしくて、粋でいることを貫いた。男の美学ってやつも認めさせるいい長兵衛でした。
劇中劇「公平法問諍」。この問答がこんなにすーっと楽しめたのも初めてかも。なんて勝手な理論なんでしょう。公平が上人をなぐる理屈が小学生のそれっぽくて可笑しかった。すっかり公平=市蔵さんが定着。あれ、芝居を止める人が出てこなかったらどこまで演じることができるのかなぁなどと考えた。舞台番は、新十郎さん。ほれぼれする舞台番でした。なだめていたところから、急に脅すところがすこぶるいい。頼りになる舞台番でした。そんな舞台番までも侍に椅子にされると、まってました!長兵衛登場。ここが一番いい。初日に、花外でみていたのでものすごく近くにやってきてクラっとしました。みなさまがお困りだと、横柄な武士に丁寧に言ってきかす。丁寧なのだけど、元侍の海老蔵・長兵衛の大物感はすごい。「芝居を見に来ているうちはこの首はやられねえ」と首をひとつポーンとたたいてみせる時の迫力。これは、生でみないとはじまりません。映像でも写真でも、この底力は伝わらない。でもどんなに遠い席からでも生でみていれば感じる底力がありました。 かけつける子分たち、ここはとってもいい場面。でも、子供っぽい・・あんまり頼りにならなさそう。かわいいのだもん。おかみさんは孝太郎さんなので、夫婦でなんとか場を落ち着かせました。いきがる子分ども(壱太郎くん種之助くん米吉くん隼人くん)かわいくて微笑ましくなっちゃった。国矢さん・松次郎改め松十郎さん・功一さんくらい渋くなる日を楽しみにします。出尻の松也くんはおかしみがあって好演。この余裕がさっきの五郎にもあれば。唐犬は亀鶴さん。変わりにいきやしょうと言うのを、長兵衛がそういう訳にはいかないんだとやりとりするところの呼吸がよかった。覚悟して着替えを手伝う孝太郎さんの場もよかったなぁ。なんで水野の野郎なんかの呼び出しに答えなきゃならないか、それが男の生きる道だから。それがすーっとわかるのは珍しい(初めて)。まさに極めつけでした。いつもは、やっかいなもんだなぁと思う「男の美学」ってやつが、ステキにみえました。水野の策略を見抜きつつも、男の道を貫く。そんな海老蔵・長兵衛の男っぷりを、「殺すも惜しい」とついつぶやいてしまった水野。愛之助演じる水野のその一言で水野のこともちょっと見直した。そして、いつもはそんな一言が、耳に入ってこなかったなぁと思った。ちょうどその年齢くらいで演じるというのも、いいものなのかもしれないなぁと思った。

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2013年1月30日 (水)

『きいろいゾウ』

昨日突然 風邪をひきました。気をつけていたのに。チェッ。

西加奈子の『きいろいゾウ』(小学館文庫)再読。何年か前に本屋で平積みになっていて気になった本。帯に宮崎あおいちゃんが、”いつか、この小説の「ツマ」役を演じてみたいです。”と書いてあったなぁと思い、映画化記念に読む。ドリームズカムトゥルーやなぁ。
あいかわらずすっかり忘れていて、新鮮にぐんぐん読む。これ、好きだなーと思ったことはよく覚えているけど。やっぱり これ、好き。
端からみたら要領が悪いなぁと思うような、時間のかかる遠回りな手順で、悩んだり止まったりじだんだ踏みたくなったりしながら、落ち着き所を自分で探す。自分で探した答は、人のせいにせず生きていけそうでいいなぁ。今、遠回りを恐れているかもしれない。怖がりすぎだ。うまいことやってないところがすごく好き。おいしそうなごはんも。

歌舞伎座新開場 あと62日

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2013年1月27日 (日)

浅草歌舞伎千穐楽

浅草歌舞伎 千穐楽。終日(昼・夜)鑑賞してきました。大円弾。最後の最後まで全力で突っ走るアツい浅草歌舞伎でした。おもしろかったー。
感想はおいおい。

歌舞伎座新開場 あと65日

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2013年1月26日 (土)

ギャラリー巡り

美術館のあと、銀座へ。今度はギャラリー巡り。ギャラリーで作品を購入するのは、裕福な大人のすることと思っていました。が、もう案外と大人になっているようです。しかも、背伸びすれば購入も夢ではないらしい。先駆者の友人を指導者としてあおぎ、3人でギャラリー巡りをしきました。購入する気もない人でも、のぞいていいのであろうかと 思ってしまいます。人にくっついていってまず1歩。
最初に訪れたのはMEGUMI OGITA GALLERY。謎めいた階段を下りるとそこにありました。杉田陽平「Black Swan」1st展をみてきました。その後、Showcaseへ移動。謎めいた階段を上がる。小さな四角い白い部屋。そこに1点だけ作品がありました。特別な空間。こちらは「Black Swan」2nd展になるそうです。少し前の時代の作品だそうです。1stでみてきたものと雰囲気が異なり面白かった。
小さなギャラリーをでたあと、シャネルへ。この上にもギャラリーがあるそうです。初めてシャネルのビルに足を踏み入れました。エルメスにも、上にあるギャラリーのおかげでビルにはいることができました。ドアマンがドアをあけてくれるようなビルヂングはちょっと緊張。背筋がのびます。シャネルネクサスホールで開催していたのは、「アンリ カルティエ ブレッソン」展。だれしもが一度は目にしたことのある写真。私が氏をしったのは、ポストカードで。よくみかけるこれらはアンリ カルティエ ブレッソンだったのかという入り方でした。有名なのだけれど、なんどみてもいい。画面の構成のバランスも面白く、こことここが対比ねとか、こそこそとみつけたところを指さししあいたくなる感じ。おそらく娼婦であろう彼女らも、どことなくコミカルであっけらかんとしている。一日のうち、そういう気分の時間帯もあるであろう。そこには、暮らしている人間がいて、モノクロなのによりその場の空気感がでているようで面白かった。世界中いろいろな所を訪れていることにびっくり。日本にもきていました。日本の写真は1枚だけ。なんと11代目團十郎の葬儀に門前に駆け付けないている喪服の婦人の写真。ふーむ、ココなのか。これが、才能なのね。あたりまえだけど、自分は素人視点だなぁと思わされるステキな展示でした。みんなに、教えたくなりました。2月10日までだそうです。
最後に、ポーラミュージアムアネックスへ。ポーラも、上にギャラリーをもっています。生け花展と書かれていたので、そういう気分でエレベーターを上がったら、ものすごくモダンな作品でびっくりしました。Planticaというグループの作品。プラスティックの椅子もいけてありました。普段から自転車とかもとりいれているそうです。奇抜というより、人が居なくなってしまったあと人間が残したものを飲みこんでしまった植物という感じもしました。私は草月流なので、いかにも華道という作品がとても好きなのですが、こういうのも悪くないなと楽しめました。
ふー。沢山みました。この後3人で喫茶店でずーっと話しこみました。大人になってからの学友達はいろいろ真剣で、刺激的。そこにいないメンバーのことも話す。会えばあうほど味がでてくる、楽しい大事な仲間です。

考えてみれば、岡村桂三郎さんの作品を観るために訪れたところは画廊でした。ギャラリーと同じくくり?コバヤシ画廊で圧倒されたのは昨年2月。あれから一度も岡村桂三郎さんの作品をめにしていません。今年はみたいなぁ。
途中合流の友と待ち合わせをしたのが歌舞伎座前。すっかりと覆いが取り払われていました。もうすぐです。
歌舞伎座新開場 あと66日

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「この世界とわたしのどこか」

同じく、写真美術館でもうひとつ。「この世界とわたしのどこか~日本の新進作家vol.11~」もみる。
カラーでした。
モノクロの北井作品を沢山みたあとに、カラーというのはちょっと毒々しいような、あからさまの様な気がしました。
大塚千野のタイムマシーンが、気に入った。「Imagine Finding Me」と題されたどの家にもあるような旅先のスナップショット。すこし色褪せた写真には、どれも過去の大塚千野と現在の大塚千野が映っている。少女の時の彼女に、大人の女性になった彼女がよりそう。そこがわかると、俄然面白くなる。
大塚千野は、10歳で単身英国のサマーヒルスクールに留学したそうだ。大人になった彼女も、根性のありそうなキリっとした少女のような人だった。
中国の地方から都市部に集まるドラッグ・クィーンをテーマにした菊地智子の作品は、挑戦とか、新進とか、そういう言葉が似合うキツイものだった。作品のすごさよりも、この表情をでカメラを通して向かい合うことができるようになるよう彼女たちのところに入りこんだことの方をすごいと感じた。キビシイ作品。

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「北井一夫 いつか見た風景」

写真美術館にいってきました。「北井一夫 いつか見た風景」をみる。モノクロの作品から、いろいろな広がりを感じました。そこにある物語とか、風とか。カラーよりも訴えてくるものが多いように感じるのはなぜでしょう。目にみえているものと違う色あいなので、頭の中で変換する際に膨らむのであろうか。画面の向こうからみている視線からも何か感じるものがありました。面白かった。
北井一夫の写真は、自分が生まれる前であっても懐かしい気になる。記憶にないような小さな子供のころのものも。冒頭に飾られていた『父の帯』という作品から、むむむとひきよせられた。穴のあいたそれはなんだかセンチメンタルな気分になった。学生運動の「バリケード」という連作と、成田空港の、「三里塚」のデモの中でも対照的な点が興味深かった。三里塚は、自分達の住む土地を守るために集まっている。力強く植物が生えている土地で、スローガンを書いた戸の前にいる老夫人はおだやかであたたかい表情。ひじをついて寝そべる若者はしっかりと大地で働くたくましさが美しい。 学生は思想のためだったのに、闘争と日常がまざりあっていき、意気込みだけが残っているようでもある。何のために戦うのか。だけれども、これだけ多くの人が同じ方向を向くパワーもすごいと思う。 比較の面白さも感じた。 先日、父もこの展覧会を見に来ていて、とても面白かったと言っていた。航空関連の仕事をしていて、しかも成田で働いて、そちらがわの人間としてどう感じたのかなと思った。成田闘争に参加した農民に気持ちを寄せたくなるような写真だった。
船橋市の市民の生活を撮った「フナバシストーリー」は、メッセージ性という点では重いものではないのかもしれないが、そこにある生活はしっかりと地に足がついていて、便利になることでなくしてしまったものがあるなと感じた。
人びとの姿のない、「道」というシリーズ。ただひたすらに道だけ。不思議。突飛でなく、地道なのにとても惹かれる作品でした。
最後に、「ライカで散歩」から『ゆず3個』という作品で、本展示はしめられる。まさに、ゆず3個。圧巻。 「ライカで散歩」は、現在も『日本カメラ』でにて連載中だそうだ。出歩くのもおっくうになったなんてキャプションがついていて、そこにもうならされた。

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2013年1月25日 (金)

『リア家の人々』

橋本治『リア家の人々』(新潮文庫)を読む。新年早々から読みはじめたが、じっくりと読まざるえない内容なので時間がかかった。感想も難しい。タイトルから、リア王を下じきにしたドラマッチックな荒々しい話かと思った。本書はリア王の孤独が根底にある、一代昭和史でした。橋本治の描いたものでなければ、このようなテーマのものを最後まで読むことができなかったであろう。
帝大出の文部官僚である砺波文三。妻との間に3人の娘がいる。戦争が勃発する。熱い信念があるわけではない。地位のある公職にいたため、敗戦後公職追放の憂き目に逢う。なぜ俺が。といって熱くなるわけでもない。事なかれ感に、少々心がイライラ・ザワザワとするがわからないわけでもない。けなげな妻。苦労ばかりしてがんで逝ってしまう。スーット末娘の静の側に立ち、応援するような気持ちで読む。彼女にとっての父親と、長女や次女にとっての父親は異なってみえる。そこのよくわかる。母をあんなに苦労させたのは誰なのか。愛情が沢山あるが、それを向ける人によって気持ちはかわっていく。気の強い2人の姉に、憎しみを覚えるが、立場をよく考えるとその気持ちがわかる。家族なのに、一緒に住んでいるのに、その気持ちはうまく伝わらない。そこに愛情があるのに、その向きが異なる。誰もが幸せでお気楽の世の中がいいわけではないのだけれども。平凡で普通の家庭にも歳月がながれ、その時代を生きてきた物語できるということを感じた。 私が私がと強きな個性も、こうやって眺めてみるとわりと普通にあるタイプだ。家族に特徴があるのか、時代に特徴があるのか。すごく複雑な気持ちになる本でした。わりと集中して読むのだけど、感動したとか、面白かったとはまた違う。でも、何かがずーんと残る。そういう本でした。

歌舞伎座新開場 あと67日

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2013年1月24日 (木)

『絲的サバイバル』

絲山秋子の『絲的サバイバル』(講談社文庫)を読む。面白い。うまい。面白い。
『絲的炊事記』でも、ガッツにメロメロになりました。身体を張ったプロの仕事。かつ余暇として。「1月1回1人キャンプ」という大きな目標を掲げて果敢に挑む。キャンプ場に一人で乗り込む。しかもそのキャンプ場に一人きり。なにからにまでコールマンで揃えている奴は大嫌いとのたもう。山ガールなんてちゃんちゃらおかしい。猟師に近いような、スタンスさえ感じる。手際良く、手を抜くところは抜き、おいしさを求めるべきところは求める。人間の作り出す音(電気を伴うもの)を遮断し、大自然の中でちっぽけさを感じる。潔さと、お酒ののみっぷりと、作る料理の美味しそうなところにグっと惹きつけられる。七輪であぶるだけのおいしさを想像する。こういう心のたくましい人でいたいものです。
栃木愛にあふれ、栃木の大自然をわたりあるいたかと思うと、三浦半島にも出没。講談社社屋敷地内とか、友人宅の庭先とか神出鬼没。そんなところで具合がまたいい。
純文学風とか、作風の違うタッチにもしびれる。うまいな。あたりまえだけど。
おいしいものを食べることに手を抜かない。こだわりやさんでなく。なんてたくましくて、格好のいい人なんでしょう。今、産直という言葉に魔力を感じます。

歌舞伎座新開場 あと68日

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2013年1月23日 (水)

『絲的炊事記』

絲山秋子の『絲的炊事記~豚キムチにジンクスはあるのか~』(講談社文庫)を再読。『絲的サバイバル』を買って読みはじめたらあまりの面白さに、読むのがもったいなくなり、まずは手持ちのこっちを読みなおそうと。
何度よんでも面白いです。コレ。
食べ物のことを書くとなったら、とことん食べてから書くんですよというプロの仕事。身体が大きくなっていってしまっても、それが仕事だといわんばかりに。真冬の冷やし中華もあの手この手でトライ。もう充分わかりましたと思ってもまだトライ。偉いなぁ。食べなくとも、その冷たさ・辛さが体感できた錯覚に陥るほど。 冒頭のカパスタから、ドーンと衝撃があり、最後の父親の料理を習うところでジーンと温かくなる。すばらしい1冊。

歌舞伎座新開場 あと69日

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2013年1月18日 (金)

夢市男達競

プチ新春休み。お休みをして、歯医者に行ったり、18日初日の三越のセールをのぞいたりしてからおさると合流。プチメックのおいしいパンのランチを食べ、スカイツリーを真下から眺め・おみやげものやさんでお買いものをしました。まだまだ、そこそこ混んでます。
夕方、本日のメインイベントである国立劇場へ移動。初春歌舞伎公演「夢市男達競(ゆめのいちおとこだてくらべ)」を鑑賞してきました。昨今、音羽屋さんが国立の新春公演に御出演の折には、復活狂言が多く、音羽屋のよさを今ひとつ発揮できていない懸念がありました。古典の方がいいのになぁなんて思っておりました。が、今年は面白かった。あーよかった。奇想天外の娯楽作品と銘打たれておりましたが、まさにそんな感じ。
初代横綱の明石志賀之助(←菊之助さん)を命がけで守ったと伝えられる男伊達の元祖・夢の市郎兵衛(←菊五郎さん)の活躍らしかったのです。しかし、結果としては、全体的には 実は木曽義仲であり 鼠の幻力を得た松緑さんと、菊五郎さん扮する夢の市郎兵衛の奥方だったり、美貌の傾城 薄雲太夫であったりする時蔵さんの2人が大活躍。松緑・時蔵祭といった感じでした。筋立てはありますが、どんどん気にならなくなってきます。歌舞伎ってバカバカしいくらい自由でもあります。
序幕の鶴ヶ岡八幡宮の場は、忠臣蔵の序幕のよう。こういう場をよく見る。場面毎に、「助六」風とか「め組」風など それを思わせる演目がみえてきて、みどり狂言のように飽きさせないのもいい工夫だと思う。伊達藩のお家騒動の時に観たような屋根の上の大きな鼠や、海老蔵さんが空中浮遊したような、おどろおどろしい頼豪(左團次さんも浮くかと思った・・・)。定型の場の並びが出ると、落ち着く。そこから醸し出される雰囲気も感じとりやすい。團蔵さんの悪者と亀蔵さんの小者の悪者ぶりが、すごくしっくりきた。亀蔵さんは、ふざけても技があってニヤリとさせるうまさがあっていい。
河竹黙阿弥没後百二十年。黙阿弥作『櫓太鼓鳴音吉原』からの演目だそうです。その時代に、この役にぴったりな役者がいて、その人にあてて書かれたのであろう。それを、今月の役者でと割り振るとどうしてもバランスが悪くなる。仕方がありませんが。今回は、猫と鼠の大立ち回りが、「トムとジェリー仲良くケンカしな」みたいで、求心力もあり、面白かった。
菊之助さんの相撲取りは、キリっとして美男子でした。肉襦袢がよく似合うというのも変だけど、肉感的な装束なのにシャープにみえました。きれいな声でかつ相撲取り。そういう存在感がありました。隣のおさるが、相撲取りは頬に黒子がついていると発見してました。そういえば濡髪にも右の高頬に黒子が。
一転して三浦屋新造胡蝶 実ハ 猫のタマでは、かわいい新造に。実ハというか、すごく猫でかわいらしかった。菊ネコ対沢山の鼠の大立ち廻りは、細かく工夫されていて楽しかった。物陰をポジションとすることが多い左十次郎さんが、ダイコン(のオブジェ)の物陰にいたのもおかしかった。やっぱり物陰。さすが菊五郎劇団。すばらしい。
当月は、男子の梅枝くんさすがです。一押しの天才右近ちゃんに、もっともっとかつやくしてもらいたい。傾城でした。扉を閉める時に添える手まで完ぺき。130122_230729
大詰の最後に、手拭撒きがありました。1階花外で、ぽーっと明石志賀之助をみていたら、花道からわたくしのお膝に手拭がぽーんととんできました。やったー。ありがとうございます。亀亀兄弟と、天才右近ちゃんが花道に紋付袴で現れ、撒いていました。どなたが下さったのかしら。天才右近ちゃんからだと思うことにしました。嬉しい。そういえば昔、脇の下で挟んで取ったことがあります。(気がついたら脇の下に挟んでいたというのが正解。)隣の席の方が、みどりさんからだと教えてくれたことを思い出しました。
かえり道、横浜までもどり おさると新年会。久々のアリババで祝杯をあげました。今年もいい年になりそうです。




歌舞伎座新開場 あと74日

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2013年1月14日 (月)

大雪観劇

130114_121747大雪。家の中から、ぽっぽと真っ白に積っていく様をみているのはとても楽しい。我が家の周りは真っ白になりずいぶん積りました。
しかーし!この日は家族総出で浅草歌舞伎観劇日でした。午後、雪の中浅草へ。3階からみてきました。こんな日に両親を連れていくのは悪かったかなぁと思いました。仕方ありませんがね。でも、雪を踏みしめるのはけっこう楽しかった。長靴でズブズブと雪の中に入ってみました。案外楽しい。
130114_163659浅草歌舞伎は雪の中もがんばっていました。観客もけっこうきていました。みなさま御苦労さまです。公会堂からの雪景色も楽しみました。
毛谷村。最初にみたときよりも、お園の壱太郎くんは落ち着いてきたような気がします。六助の愛之助さんが堂々としていて愛嬌があって、よく似合っています。吉弥さんの登場で場が締まる。ちびっこも可愛い。
寿初春 口上。大雪と成人式のことにも触れていました。この口上を聞いた後に、勧進帳をみると応援しようという気持ちがわきます。素直な挨拶。新之助時代には、弁慶という大役の前に手も足も声も震えてしまった。また大役に挑戦できることがうれしくありがたいと。
睨みは、最初の3日間だけかと思っていましたが、この日にもありました。浅草に人を集めようという奮闘ぶりを感じました。これで私に続き両親も無病息災です。ありがとうございました。
最後に、勧進帳。目を剥き、力いっぱいの弁慶。そんなに意気込んでいては義経ってバレちゃいますよー。対する富樫の愛之助さんの受けがよかったので、掛け合いがより迫力が出ました。延念の舞は団さま風になってきました。そりゃ習っているから当たり前でしょうが。おおらかさにつながるといいのだけれども。あぶない!うれしい。よかった。感謝。と感情がむき出しでした。迫力があって、みていて飽きません。 四天王は、意気込みはかうけれども ちょっと弱そう。市蔵さんの常陸坊海尊だけではひっぱりきれない。松也くんの声がよかった。種之助はぐっと乗り出す形がきれいでした。壱太郎くんの声は、翫雀さんにやや似ていました。 全体的に全員が力いっぱいすぎで、そこが浅草らしいなぁと思った。バランスとか後先を考えずに突っ走っている感も、この浅草らしさだと思う。

歌舞伎座新開場 あと78日

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2013年1月13日 (日)

宝生会 月並能

またまた宝生能楽堂へ。宝生会 月並能を鑑賞してきました。1月に「翁」を能楽堂で観る。これが毎年の夢です。なかなかかなわない。今年はかないました。その上、深田師の三番叟なのでとてもうれしいです。楽しみに能楽堂へ向かいました。
翁は、野口聡さん。いいお声でした。丁寧で美しかった。面箱は内藤連さん。多分披きかと思います。緊張感があり、厳かでした。笛と、小鼓・大鼓がどんどんと盛り上げていき三番叟登場。5人対1人いうわけではありませんが、あのように吠えるようにはやしたてられている中、おおさえおおさえ喜びありやと出ていくのは大変なパワーがいるものだなぁと、観ているこちらもかなり力が入りました。踏ん張って必死に五穀豊穣を願っている揉之段でした。
黒式尉を付け、鈴の段に入ると、少し次元が代わりキリッとしました。鈴の段は型のきれや、繰り返しの動きの躍動感がよかった。「翁は能にして能にあらず」という、特別な演目の気をたっぷりと感じました。このような儀式的なものの中の良さが、少しづつ理解できるようなってきました。背筋をきちっと伸ばそうという気持ちになります。
続いて「筑紫奥」。おおまじめな中のおかしさが際立つと思いました。一昨日みた「鍋八撥」でもでてきた「まんぞうくじをごしゃめん」が萬雑公事を御赦免ということでつまり、役や税を免除されることなのかとやっとわかりました。今まで何度も耳にしていた言葉なのに。くじ?って思ってました。高野師と竹山師の百姓の元気なやりとりの後、無理強いして笑わせた萬斎師の奏者が、ぼそっと笑う気になれないと対応するのが面白かった。これがメリハリかと。
くたびれてしまったので、「東北」はちょっとお休み。会場を抜けて休憩し英気を養い、「望月」を鑑賞。予習をしてみたところ、能の中では異色のドラマティックな筋立てのようです。確かに展開がよくわかり面白かった。
登場しない安田庄司友春という主は、口論の末に望月秋長の手にかかり殺されてしまう。家も断絶となってしまう。殺めた望月秋長は蓄電。安田友春の家来も妻子も身を隠す。全て、相手を恐れてのこと。
年月が経ち、望月秋長は許され帰国の途中。間の万作師はワキの望月秋長に仕える下人。
いまだ望月を恐れ旅に出た友治の妻子が泊まる宿は、シテである家臣 友房の宿。偶然の出会い。そこに、偶然帰国の途にある望月が宿を求める。妻子と家臣と仇が偶然同じ宿に大集合という、偶然大祭。 どんなにドラマティックなシチュエーションになっても、様式を重んじ、ひたすら美しい。
盲御前(めくらごぜ)を装う主君の妻は「クセ(曽我兄弟の仇討ち物語)」を謡い、子息の花若は八撥を打ちながら「羯鼓」を舞う。家臣の友房は「獅子」を舞う。望月を油断させ追いつめる様も、美しい。
そんなにドラマチックに追いつめても、最後は望月の被っていた傘を望月に身立て仇を討つ。能の世界では生々しいことは行わないそうです。幽玄ということはこういうことであろうか。とても面白かったし、能の美しさについてよく考えた。
ワキの望月秋長に仕える下人であった間の万作師は、素望月秋長に仕える下人。名を伏せるように言われたのに、忘れて名乗り「~ではおりないよ」とごまかしたりする。かと思えば、宿の亭主を怪しいものとみれば斬ってかかろうとする機敏な面もみせる。これからという時に、静かに退場する。あーこれからなのに。名残惜しく思わせる間でした。めずらしく、お能を堪能することができました。
12時開演で、5時ごろ終演。休憩は15分が2回だけ。座ってみているだけでもクタクタです(途中2時間抜けましたが)。 存分に堪能しました。

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2013年1月11日 (金)

第61回野村狂言座

今年最初の能楽堂公演。舞台にしめ縄がはられていました。神聖な気持ちになります。今年最初の野村狂言座を観に宝生能楽堂へいってきました。本日の解説は深田師。
素囃子「男舞」からはじまる。武士の役が舞う曲だそうです。「鍋八撥」高野師の田舎っぽさと、中村修一さんのスマートな都会的な対比がよくでていて面白かった。高野氏の困惑ぶりに随分客席がわいていました。わさなべ(浅鍋)は中尊寺に特注していると解説でおはなしがあったので、音にも注目しました。
つづいて、「素袍落」。あたりまえですが、うまいなぁとしみじみ思いました。叔父の万作師の声が少し出にくそうで心配になりました。ちょっとした強弱がとても効いていて、ぐっと惹きつけられます。石田師の太郎冠者は天真爛漫で酔っ払い加減が、のんべぇにはすごく理解できました。今手に持っていた、いただいた素襖がない!とびっくりした様は、私が2日にバーゲンで買ったばかりのスカートの入った紙袋を無くした時の驚きと同じでした。(飲んでいなかったけど。スカートの入った紙袋は無事ワゴンサービス近くに落ちているのを発見しました。)おおらかでいいです。内藤さんは若い主。いいから言うとおりにせよと無茶な感じが面白かった。
最後に「業平餅」。天下の美男子の業平も、狂言の世界では餅に夢中な男になるのが楽しい。品を落とすのでなく、位のある人ののんきな一面というしあがりになるところが、古典芸能のすばらしさだとしみじみ思いました。笑いたくて観にくるわけではないので。とはいってもつい、クスっとはしてしまうけれども。人間のおかしさを、皮肉でなく素直に楽しめます。「業平餅」は久しぶりによく笑いました。万作師の傘持ちの居眠り加減が絶妙で、そういうお役だとわからない方は本当に寝てしまっているのではとハラハラしそうなほどでした。とぼけた味わいを満喫しました。萬斎師は、業平。餅が欲しければ、おあしを出せといわれホイと出す様が可愛らしくかっこいいの。餅やの主人の居ぬ間にこっそりと餅を食べてしまうのに、姑息な感じにならないのが不思議。
今日は3番組とも、シテのおおらかさがとってもよかった。能楽堂はいいです。気持ちがキリっとします。

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2013年1月 7日 (月)

『まほろ駅前多田便利軒』

仕事はじめ。混みこみの電車に乗り、会社がはじまったと実感。

三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』(文春文庫)を再読。続編の『まほろ駅前番外地』を読むまえに、読みなおし。割と忘れていてほぼ新鮮なことは言うまでもない。直木賞受賞作。
東京のはずれに位置する「まほろ市」の設定具会がうまい。ほどよく都会で、一部人情にあつい部分を残す程度郊外である。そんなまほろ市の駅前にある便利屋「多田便利軒」。人にかかわることをおっくうがる若さと、便利屋という人の家の中に入っていく人にべったりの仕事のバランスが面白い。一人で淡々と暮らしている多田の生活に、学生時代ですら仲のよくないかつての友人 行天がころがりこむ。出て行ってほしいはずだが、いつのまにか暮らす仲間になっていく微妙な空気を楽しむ。突飛なようで、案外人の心を動かしよりそう行天の人間性が魅力的。でもそれは、コツコツ生きてきた多田の暮らしの上に成り立つから。
ペットあずかりとか、塾の送迎とか、今は便利屋にそういうこを頼むのか。人まかせにするドライな親のあきらめや 心が乾いてしまっている感じと、そういう風になっていない子供の間に立ち、親切じゃない具合で繋いでいく。いいな。

歌舞伎座新開場 あと85日

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2013年1月 6日 (日)

レ・ミゼラブル

9連休という幸せなお正月休みの最後の日に、映画をみてきました。一家そろって。「レ・ミゼラブル」は、映画を観た!という気分になる大作でした。上演時間もたっぷり。予告編をみて、むしょうにこれをみたいと思いました。なるべく前情報を耳にしないようにして見に行ったら、セリフが全て歌で驚いた。ミュージカルだったのね。声楽のプロでなく、俳優が技を磨き歌いあげたものらしい。感情たっぷりで、歌が台詞のように違和感なくすんなりと頭に入ってくる。私の記憶の中にある「ああ無情」のジャンバルジャンよりも、この時代の庶民の生活感も強く心に響いてきた。冒頭の奴隷のような囚人の扱いぶりには、もう未来のない絶望を感じた。貧しいってことを、とことん実感させられた。仕事がなければ、明日は何も口にすることすらできない。おかげで、翌日からの仕事はじめもつらく感じなかった。明日は会社に行かれる!?それ程、貧しさがひしひしと伝わった。若者が、革命を起こそうとする。市民を奮起させ、自分達が世の中を変えることができると息巻く。でも、それはきちんとしたみなりで、片手に酒を持ちあおりながら意見を交わすことができる民衆であり、明日のパンがない人にはそんな余裕すらない。民衆は蜂起しなかった。若さの描き方もうまいと思う。国々で若者が熱に浮かされたように我が国を憂い、変えようとする。結果はついてこなくても、醒めて投げやりで希望のないのと随分違う。
ジャベールがなぜ、ああも執拗にジャンバルジャンを追うのか。この視点にも一緒になってストーリーにのめりこんでいくのだが、ジャベールはバカみたいに高いところに乗り悩むので、高所恐怖症の私にはその視点が怖くて画面をみることができず、集中がとぎれてしまった。2度も。なんであんなに高いところで街が遥か下の方にあるシチュエーションのことろを歩きまわるのでしょう。バカじゃないのもーと関係ないことで怖がってしまった。確固としてジャンバルジャンに立ちはだかる感じが恐ろしく、それだけうまいのだろうなぁと思う。
ジャンバルジャンがとにかくよかった。ヒュー・ジャックマンに魅せられた。囚人の身である時の絶望、釈放となったときの信じられない様子、わが身のあさましさに気が付き深く恥じ入る様、どれもすばらしかった。守るべき存在という宝物を得て、世界が変わってみえるという。ここにぐっときた。自分の身にいいことが起こるよりも、自分を犠牲にしてでも守りたい存在を得たことで生きているという実感がわくのだ。そういうものだなぁ。だからこそ人は働くのだなぁ。調子よく、自分だけがいい思いをすることに執拗な宿屋の一家との対象もいい。静かに、とめどなく涙があふれる映画でした。
いくらか、自分の記憶の中にある物語と比べて あれ?と思う納め方もあったけれど 大きな映画をたっぷりと楽しみました。

歌舞伎座新開場 あと86日

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2013年1月 5日 (土)

初泳ぎ

なんでも初をつけたらいいというわけではありませんが初泳ぎ。スイミングスクールへ。水着がキツイのは気のせいだといいのだけれども。

歌舞伎座新開場 あと87日

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2013年1月 4日 (金)

シャルダン展

三菱一号館美術館に行ってきました。初めて訪れました。洒落ている館ですが、まだ鑑賞者と仲良くできていない感じ。サービスが行き届きすぎて自由が足りないというか。ちょっとすました館でした。時間が経ち、こなれてくるといいけれども。
友からの贈り物でシャルダン展をみてきました。『食前の祈り』をみたかったので嬉しかった。食前に捧げる感謝の祈りの様子。はじめてみるその画は、印刷物ではあらわすことのできない、部屋の中の光がきれいでした。お祈りの途中の幼子、見守る母の声は指導しているその声もきっと柔らかいことでしょう。朱色の布を頭に被り小さな椅子に座る幼い子は、女の子の格好をした男の子だと授業で習った。当時は男児の死亡率が高かったため、縁起を担ぎ女児の服装をさせていたそうです。そのようなことができるほどの財力もある家庭でもある。絵は、みるだけでも美しいが、背景を理解した上でみるという意義について授業だった。もっと知りたいと思った。これは、そのことを教わった画なので、本物をみてみたかった。よりうれしかった。

歌舞伎座新開場 あと88日

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2013年1月 3日 (木)

福笑い

130103_130412福笑いってどうやって遊ぶのだったかしら。目かくししても、目の位置を確認してまゆげを置いたりしたので案外普通の出来上がり。のんびりお正月を満喫中。

歌舞伎座新開場 あと89日

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2013年1月 2日 (水)

初芝居

130102_093211今年の初芝居を観てきました。浅草公会堂の新春浅草歌舞伎初日の昼の部を鑑賞。鏡開きがあったので、はりきってでかけました。ずらっとスーツ姿の出演者が並び、御挨拶。鏡開きの後に振る舞い酒。毎年、恒例となっている浅草歌舞伎の行事のようです。がんばるなぁ。浅草の鏡開きに参加(見学?)したのは、はじめてです。列には並ばず、道の向こう側から、台にのって眺めてきました。にこやかで楽しかった。寒さもふっとびます。
浅草寺にお参りしてきました。その後、昼の部を観劇。大賑わいでした。感想はまた、おいおいと。Eテレの「こいつぁ 春から」の歌舞伎初芝居の番組をみていたら、ちょっとうつってました。ほんのちょびっと。
観劇後、大混雑の浅草の町にびっくり。雷門の前には、門からあふれるほどの参拝者の行列ができていました。10時ごろは、まぁまぁの混み具合ですんなりお参りできたのに。東京の人出ってすごい。
2日に初芝居をみたのは、久しぶり。新鮮な気分で観劇できました。クリスマスのころ歌舞伎をみたので、そう日にちが経っているわけではなのですが、なんだか一区切りの後の第一歩という新鮮な気持ちになります。日本人だなぁ。

歌舞伎座新開場 あと90日

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2013年1月 1日 (火)

あけまして

130102_203246おめでとうございます。
年賀状が届き、楽しみにながめています。年賀状好きです。作るときはおっくうになり、なかなか手をつけずあわてることになるけれどもね。でも好き。
2013年分もプリントゴッコで作成。古めかしいところが、好みなのやもしれません。消耗品販売が昨年12月末をもって終了しました。4年分くらい買占めしてみました。が、ランプの期限は2年くらいのようです。あれれ。
のんびりと、テレビをみたり本を読んだり。暖かいおうちでぬくぬくの元旦です。幸せ。


歌舞伎座新開場 あと91日

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