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2013年1月31日 (木)

浅草歌舞伎千穐楽・夜

「毛谷村」で幕あき。愛之助さんの六助と、亀鶴さんの弾正の試合。ここだけで、すっかり六助=いいひとにみえる。大きな男です。
お園の壱太郎くんは、相変わらず落ち着いて、きちんとしっかりと演じる。でも顔がかわいくどうしても子供っぽい。うまい、子供、うまいと忙しく思う。そして、つい目を離せなくなる人です。その場をあらわす表情が、100%細かくその通りでそこもかわいい。一等面白かったのは、ご飯を炊こうとやたらめったらと薪をくべるところ。うっかり声をだして笑いそうになっちゃった。あんなに投げ込むのみたことない。面白すぎわ、壱太郎くん。大好きです。
愛之助・六助は、急に惚れちゃうのもなっとくの強く大きな男。お園のとんちんかんな程の惚れっぷりもよく出ていて、だれることなく面白かった。松次郎改め松十郎さんに斬りかかられているのに、そんなの目にはいらないって感じで六助に説明するのお園。現実離れっぷりもよかった。時蔵さんがするともっと力持ち感がでるのですが、そこまで満点を求める必要もありませんね。斧右衛門でまたも、海老蔵さん登場。情けない顔が新鮮で、どうしても目立っちゃう男でした。本当に一日全部の演目に出ているのね。愛之助・六助と壱太郎・お園は、台詞も所作もよく、義太夫のノリもよかったなぁ。
「口上」とうとう、最後の日まで睨んで下さったようです。あれ?今年は風邪をひかないはずなのに・・・花道の出で足がふるえ声もふるえ、ほろ苦い思い出があるという弁慶。15年ぶりに父に習い直して挑戦ということを聞くと、見ているこちらも気合が入ります。また15年後にここで演じたいと。その時自分がいくつかは考えないことにした。(となりのおばさまは、あら生きてないわとつぶやいてらっしゃいました。大丈夫ですとも。) こうやって口上を聞いていると、あーそうだ青年なんだ。素直な人なんだ。と思う。
先祖の位髪を力草にと、しっかり睨んでもらう。すごいオーラです。昼は3階でみていたので 1階におりてきて近いは迫力満点ではドキドキしました。
最後に「勧進帳」。久しぶりに、震えました。びっくりするほど気迫のこもった、すごい勧進帳でした。ブラボーと外人気分になるほど、しびれました。最後、弁慶が花道をひっこんでもしばらく拍手がやまなかった。若い人達の勧進帳であったが、この日のこのなみなみならぬ空気を作ったことは若い人達だからこそだ。再登場することはなかった。それでいいなぁ。この沢山の拍手はきっと聞こえていることでしょう。 
太刀持は、團さまの部屋子となった市川福太郎くん。成田屋贔屓として、応援させていただきますぞ。 義経は孝太郎さん。どうなるものでもないならいっそ、お前たちの手にかけて欲しいという主。必死にとどめると弁慶よきにはからえ候へという。もう命掛けでお守りします!という気迫がこの花道のところからひしひしと感じられた。花道すぐそばだったのでもうこっちまで緊張です。孝太郎・義経は、彼らに静かに全面の信頼をよせていました。運命なら受け入れようという感じ。はじめの頃みた時ににはは弁慶・富樫の組み合わせばかりに目がいったけれども、義経・弁慶・富樫という形がみえた。四天王は松也くん・壱太郎くん・種之助くんに、市蔵さん。松也くんのりりしい顔つきと声が特によかった、若々しい3人が必死に迫ってくるのをしっかり押しとどめていてよかった。四天王は無駄な動きをせずに存在感たっぷりでいなければならない。挑んでいる感じもよかった。
海老蔵・弁慶に対する愛之助・富樫がよかった。2人の間の緊張感がすばらしい。この呼応をみにくるのだと思う。勧進帳を読めと言われおもむろに取りだす。そーれーとあの低い声で始まる。じわじわと義経・弁慶・富樫3人の緊張感が高くなる。勧進帳を睨みつける弁慶、覗き込もうとする富樫、笠にそっと手をかけ少し視線を上げる義経、息が詰まるこの一瞬。そしてはっとはきだし緊張が途切れる。こういう見せ場というものを、一つづつ発見していき、どんどん面白くなった。歌舞伎ってこういうことの積み重ねだ。何度もっみると、わからなかったことが少しづつ解明されてくる。勧進帳もその宝庫だ。そして、こういう風に手に汗を握るくみあわせだとなおさらいい。主を打ちゃくする弁慶の必死さ、今は疑い晴れたと言われ安心する様、全てわかって通す富樫の判断、我が身を救おうとしてくれた弁慶にそっと手を差し伸べる義経、飛びすさって後ずさりする弁慶、ひとづつつが手順でなく、積み重なっていき魅せた。延年の舞でお酒を口にしてからの弁慶は少し言葉は酔いすぎで聞き取りにくくなったのた惜しい。そこは雰囲気でいいのでは。でも、もういい、存分にはしゃぎたまえという気持ちなった。今のうちにと義経一行を一緒になって見送る。最後、花道に一人残る弁慶。目をこらし、どれだけ先にいったのか見守るところにジーンとした。富樫への一礼も背中にしっかりでていた。やり遂げた顔で、しかしまだまだ続く道を守るため、六法でおいかけていく。あーこれは飛ぶように行くはずだなぁと心からそう思った。だから飛び六法なのかと勝手にすごく理解して、感激しちゃった。いやぁ、いい勧進帳でした。ありがとう。

歌舞伎座新開場 あと61日

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