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2013年2月24日 (日)

歌舞伎-江戸の芝居小屋-

サントリー美術館にいってきました。『歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎-江戸の芝居小屋-』をみてきました。久々の六本木。記念トークライブ「『歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎-江戸の芝居小屋-』に寄せて というのに応募し当選しました。講師 市川猿之助氏、聞き手 フリーアナウンサー竹下典子氏という設定。対談形式を取る場合の質問は、もうすこしどうにかならないものでしょうか。ひどくはないけれど、よくもない。いかにも聞きそうなことを、やっぱり聞くというのではちょっと興醒め。亀ちゃんが登場。スーツですか、着物かと思いましたと進行する。歌舞伎役者は着物というイメージを払拭したいからスーツを着るようにしている。これ、あちこちで話されているのを聞いた。らしいなぁとは思うけど、そんなのここにいるほとんどの人が知っていると思った。私でも聞くことができるような質問ではなく、プロの技を魅せて欲しい。冒頭は肝心だと思う。割と高額なイベント料でした。もっとしっかりしていただきたい。
ただ今回は、竹下さんが話をを振り、猿之助さんが答えるというよりも、展示作品のスライドにあわせ、猿之助さんに歌舞伎の生い立ちを教わるという形になった。それがとても楽しかった。研究者の視点と、その研究材料である舞台に出ている人間の視点は違う。双方からみた話が、歌舞伎観賞愛好家にはたまらなく面白かった。ときどきでてくる、歌六さんに教えていただいた「武士は食わねど高楊枝」という背伸びの仕方とか、世話物の捨て台詞がいかに難しいかというところで、先代の勘三郎さんの舞台上で試されるエピソードなど、貴重な情報も飛び出しワクワクした。
舞踊は、舞うと踊るという2つの流れがあり本来別のものであるべき。舞うというのは横に。踊るというのは縦に跳ねる。そこから踊りの派流の話になったり、能楽の話になったりする。話題がどんどんリンクしていく。突然でた話題でも、きちんと解説する。すごいなぁと会場中感心していると、こういうものは大学で研究していればわかっていることですがと謙遜したりする。知識としてあることもすごいし、話の持っていきかたもわかりやすく面白い。
真剣で、まじめだけどちょっとひねくれもので、自信家だけど謙虚。シャークスピアのきれいは汚い、汚いはきれいのようだ。この亀ちゃんらしさが面白い。歌舞伎役者は着物というイメージを払拭したいからスーツを着るようにしている。これ、あちこちで話されているのを聞いた。らしいなぁ。
一番印象にのこったことうちの一つは、日本人の芝居の見方。江戸の芝居小屋では 幕開けに客はちっとも舞台をみちゃいないってこと。場内を描いた図では、後ろから舞台を見ているの図なのに観客も後ろをむいちゃったいる人が多い。喧嘩したり、煙草をのんだり、お酒を飲んだり、話こんだり。だから、どうしても聞かせたい台詞は2度繰り返して言うし、見て欲しいところは、ツケをうって注意をうながすと。実際、一回では聞こえなかったくらいうるさかったそうです。何度も言えば、さすがに聞くだろうというのんきさがいい。もともと、忠臣蔵の四段目をあえて通さん場とするのは、上演中であろうがおかまいなしに通っていたのが当たり前だったからというのを教わり、感心しきり。 神にささげるために演じていたので観客は不要というのが日本の演劇。きちんと前をみて芝居をみるというのは西洋の演劇の風習。神にみせるために演じていたものを、面白そうだと勝手に集まってきて、勝手にやじをとばし楽しみだした。浮世絵をみて、観客はいろいろなことをしていると知っていましたし、もともと神にささげるためのものが芸能ということも読んだことがあった。いろんな知っていたような気がすることがどんどんつながり、面白かった。
そういう話を聞いてから、芝居のあれこれの展示をみると、実に面白かった。歌舞伎の名優たちというと、絶対にかかせないのは 市川團十郎。團十郎贔負のものが沢山あった。やっぱり江戸の華なんです、團十郎は。いてくれなくっちゃ困るんです。亀ちゃんが、團十郎さんについての思いでを質問された時に紳士ということを教わったと話していました。役者である前に人間であれと。社会人だったかもしれない。 きちんといろいろなことを知っている方なので、大使館のようなところに呼ばれても、きちんとお話をすることができる人だと。歌舞伎以外に、政治のことも人と話がきちんとできる人。まず紳士であるべきという「姿勢」を教わったと。12代目も、立派な團十郎だとうれしくなった。 展示品は、細かいところまでまで面白く、人の流れがちょっと悪い。わかるけれど。助六でなくても、芝居小屋の前の賑わいに福山のかつぎをみつけたり。私も随分立ち止まって、眺めてしまった。
新しい芝居が始まるたびに、役者の舞台姿を描いた浮世絵が多数制作され婦女が喜んで買い求める。贔屓の役者のために喧嘩したり、役者の着こなしが江戸市井で流行したりする。火事で何度燃えてしまっても、復活する歌舞伎の底力が面白かった。戦争後GHQの検印のついた台本をみても、その力を感じる。ずっと古いあの歌舞伎座のままで居て欲しかった。でも、立て替えの時期にちょうど立ち会うことになったのも何かの縁なので、存分に楽しむことしようと思った。

歌舞伎座新開場 あと37日

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