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2013年2月17日 (日)

2月文楽公演

国立劇場にいってきました。はりきって着物で。文楽公演の2部を観賞。驚いた!
まずは、「小鍛冶」から。お能の小鍛冶をざっくりと予習していったので、より面白かった。実ハ稲荷明神の動きがすごい。人間ではできない。手がきちんと狐のそれになっていたり、あっここも、あそこもとみるべきところがいっぱいでした。鉄を打つ槌の音が天地に響くとなっていたので、どうするのかな?と思っていたら主遣いが本当にたたいていました。自分で音を出すのですね。小鍛冶宗近が、敬っている様子もキリリとして格好よかった。 厳かさと、暴力的なほどの荒々しい動きの両方があり大層気に入りました。またみたい演目の一つになりました。
続いて、曲輪ぶんしょう 吉田屋の段。吉田屋の前での餅つきの場面が、絵に描いたような失敗でかわいらしかった。きねで手をたたくとか、きねの重さでひっくり返るとか。歌舞伎のようにあいかわらず伊左衛門はつまらないことですねまくっていました。ここは人間がした方が許せるなぁと思いました。夕霧が、一生懸命に伊左衛門の顔をみようとしている健気のところが可愛らしかった。
最後の演目は関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)。猪名川内より相撲場の段まで。12月に南座で観たときにどうしても腑に落ちなかった演目。歌舞伎の復習及び文楽の予習をしてのぞみました。今度は前回よりも味わうことができました。まず、先立つ話というものがある。昨年秋にみた巡業での帯屋もそうですが、こんなに大事なことが起こっているのに一切説明なしに唐突にはじまる。うーむ。この先立つ話というのを踏まえてみたので、今回は大分気持ちがはいりました。好きな人はおいおい理解していくものでしょうが、いさぎよく切り捨てるものだなぁ。江戸のころの相撲取りの人気っぷりは知っていましたが、大商人の庇護をこんなに受けていたとは。主に仕えるように、相撲取りは忠節を尽くす。ここを踏まえてはじめて、夫婦愛もみえてきました。猪名川次郎吉は、大坂の商人・鶴屋の若旦那 礼三郎のために錦木大夫の身請けに骨をおる。大阪での相撲は初めての鉄が嶽蛇多右衛門。昨日は黒星で今日はなんとか勝ちたい。
猪名川宅へ、猪名川と鉄が嶽 2人の関取がつれだって帰ってくる。そこに、大阪屋から使いが来て、錦木太夫の身請けの後金2百両を今日中にお支払いただけないなら、よそにやりますよと言われる。礼三郎が錦木大夫の身請けに失敗したら死ぬかもしれないと悩む。まったく若旦那っていうのは甘ちゃんでしょうがない。今日中にはらえなきゃ身受けするのは俺だと鉄が嶽。えええ!しかも礼三郎の恋敵・九平太と組みなんだか悪い奴らしい。(ここも何も説明がない。) そこへ、今日の取り組みは猪名川と鉄が嶽と案内がくる。今日の相撲の勝ちをゆずってくれたら、考えてやってもいいぜ、魚心あれば水心ある なぁと。イヤな奴です。
やっと、猪名川の苦悩がわかりました。鉄が嶽の人形も大夫も、太い声でいかにも悪そう。猪名川は、すっきりとした男前。(歌舞伎では猪名川が翫雀さんで、鉄が嶽が橋之助さんだったので鉄が嶽の方が強そうだったし悪い人だと思いにくかった。)男のプライドってヤツもなかなか厄介です。
そこに蓑助さん操る猪名川の恋女房おとわが現われる。負けるしかないと思い詰める猪名川の髪を直す場面がとってもよかった。夫を思い、夫の気持ちになって苦しむ。髪を直しながら鏡の中で目があう2人。あーもうこの感情たっぷりなこと。じーんとしました。蓑助さんと一緒の人形は、それ自身が生きているように思える。現代人のなくしてしまった沢山の美しいものをちゃんと持っている女性です。もう、自分がはずかしくなるほど。相撲場に送り出すと、舞台に浅葱幕がおりる。呂勢大夫が、今から櫓太鼓曲弾きをご覧にいれますというような紹介をし、三味線2人を残して立ち去る。こういう形式をはじめてみました。大夫の床の真横の席でしたので、首が痛くなるほどひねって息をのんでみつめました。
二と三の糸の間にばちを通して抜き取る。胴の木枠をたたく。胴を上にして三味線を立てる。ばちを投げて隣の三味線弾きが受け取る。などもう考えられないことが沢山おこりました。驚き続けていました。
場面は相撲場。歌舞伎では相撲をとらなかったなと思いました。文楽でも昭和61年以来の上演とか。マッチョな人形というのもかっこういいものでした。負けなきゃと思っている猪名川に「進上 金子二百両 猪名川様贔屓より」と声がかかる。何二百両!鉄が嶽を投げ飛ばす猪名川。ところが、二百両の金は女房・おとわが夫を思い、自らを苦界に身を売って調達したもののでした。最後の一言は猪名川の「何にも言わぬ 女房かたじけない」。
やっとこの芝居の味がわかりました。(うーんやっぱりちょっと引っかかるけど・・・)
あー文楽も面白い。すごーく面白い。もう、いやんなっちゃう。

歌舞伎座新開場 あと44日

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