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2013年4月17日 (水)

『万寿子さんの庭』

殊能さんを偲び本を読み返そうと本棚を探していたら出てきました。読み直してました。(殊能さんの本は捜索中。)
ハタチの竹本京子は、就職を機にソリの合わない父の住む家を出て一人で暮らす。そんなに気にいったわけではない家に決めてしまう。人とのかかわりがあまりうまくない京子。引っ越先で近所に庭のきれいな家がある。姿勢のいい老婦人がきちんと手をかけている。毎朝みかけるけれど目が合わない。ひっこみじあんでも、挨拶してみる。無視される。それどころか、小学生のようなイジワルをされる。ブスと言われ、寄り目と言われる。背中に張り紙をつけられる。 変わり者のおばあさんという年齢差があるからか、コンプレックスの斜視のことをはっきり言うせいか、怒っても怒ってもなんだか許せてしまうところがある。2人のやりとりは、変化していく。こんなことも知らないのかいとバカ扱いされても、花のことを教わる。こき使われても、花が咲く事を考えるとやりとげた気持ちになる。ワンピースを買いにいくときは京子が、いいかどうかみきわめる。もーもーと思いながらも、2人は友達になる。悪いことにふれないでくれるから居心地のいい人でない。友達。大人になると、こういうつきあいってできない。
腹を割ったつきあいの2人に、老いが影を差す。半世紀を超える年齢差は、頭をぼんやりとさせてしまう。なりふりかまわず面倒をみることとか、いろいろ考えさせられる。腹をくくる覚悟って、その状況になると持たざるを得なくなるもの。まだ頭の中で考えるだけですんでいるがその時になって持てるのか。とことんやった人は、現実がちゃんと受け入れられるのだな。骨太でいい本。

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