« 『万寿子さんの庭』 | トップページ | 大神社展の手前 »

2013年4月18日 (木)

『ペンギン・ハイウェイ』

森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫)を読む。
小学4年のアオヤマ少年が主人公。冒頭の「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。だから、将来はきっとえらい人間になるだろう。」というところにしびれました。なかなか惹かれる書き出しです。
ちょっと不思議な世界だけどとても好きです。
「ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。」とアオヤマ君は言う。そんなことを言うことが子どもっぽくもあり、言うだけの事をしていることに感心する。沢山頭をつかうので甘いものを補給しなくてはならなかったり、夜どうしても眠くなっちゃうので昼寝が必要だったりする。論理的に自分のことを見つめているだが、対策の子供らしさが可愛らしい。大人びていて 、小生意気 。「でも」や「だって」と言わないアオヤマ君の行動は、とても格好よく尊敬してしまった。 いじめっこの鈴木君の事も、どうしてそういうことをするのかtぽい研究対象になる。鈴木帝国帝王の行動観察。川はどこから流れてくるかも探検中。いろいろな研究を平行して行う。毎日きちんとノートを取り、計画を立て、スケジュール管理する。あぁそうだ。ノートってすばらしいものなのだ。
昔、新学期に新しいノートを下ろす時に、このノートをどんな素晴らしいものにするかワクワクした。そういう気持ちも思いだした。ノートのすばらしさ。今でも、お稽古用のノートを選ぶのは楽しい。なんでも簡単に検索でき一瞬でわかってしまう。本で調べたり実験したりする。すぐには答はでないけれど、ノートに書いて考える。便利になることで、このノートの素晴らしさを忘れるといういうことは、なんてもったいないことか。
アオヤマ君は怒ったりしない。そういうときには、おっぱいのことをかんがえると落ち着くと発見したから。同級生の女の子ハマモトさんにはおっぱいがないらしい。歯医者のお姉さんは、すてきなおっぱいを持っている。 探検仲間のウチダくんは、いじめっこの鈴木君に弱い。アオヤマくんは怖がったりもしない。なんでも、よく考え研究することで解決しようとする。でも、あの子のことを好きって気持ちにはうとい。 そんな少年少女たちのくりひろげる、普通の日々はおもしろく、アオヤマくんの理屈っぽいしゃべり方はとても好き。お姉さんとアオヤマくんの関係は、気分がよい。物語には、大きな謎が登場するのですが、その謎自身よりも、毎日の過ごし方がとっても好きでした。
アオヤマ君をはじめ登場する人々の人物の設定がみごとでした。

|

« 『万寿子さんの庭』 | トップページ | 大神社展の手前 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/81962/51286572

この記事へのトラックバック一覧です: 『ペンギン・ハイウェイ』:

« 『万寿子さんの庭』 | トップページ | 大神社展の手前 »