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2013年7月24日 (水)

『江戸川乱歩全集第9巻 黒蜥蜴』

ビブリア古書堂の事件手帖4を読んで、子供のころよく読んだ乱歩が読みたくなった。小学生の頃に学校の図書館で片っぱしから読んでいた全集は、こんな世界だったのね。
光文社文庫版『江戸川乱歩全集第9巻 黒蜥蜴』を読む。全30巻の全集。収録されているのは、黒い虹・黒蜥蜴・人間豹・石榴。昭和9年に発表された作品。乱歩は40歳だったそうです。 古びたところと、古びてもなおゆるぎないものがよくわかった。残るものの底力を感じました。
冒頭の『黒い虹』。ついに殺されてしまったというところで、おしまい。他の推理作家たちとのリレー小説の1回目を担当したのが乱歩だそうです。ええっ。これでおしまいですか。全集なので、作品を読むことができるということが重要なのですね。
つづいて、『黒蜥蜴』。三島由紀夫や、三輪明宏(丸山明宏)のような美の探求者が惹かれるのがよくわかる。決して高尚でなく、通俗的。一貫とした耽美な世界がある。おぞましいけど。怖いけどみてしまうというひきつけ方。おどろかしでなく。
最後の『石榴』の世界がよかった。
『人間豹』は、すざましかった。あんな通俗的な設定なのに、怖い。読んでいる間中ずっと、なんでこれを歌舞伎化?と?が頭の中にどんどん増えていった。国立劇場でみました。記憶に残っているのは、染五郎さんがうれしそうにサルティンバンコみたいな宙乗りしていたこと。そして、翫雀さんが福助さんに「きれいだよ」という言い方がすばらしく 石田純一のように気分よくさせることのできる男性だなぁと大注目したこだけです。読んでみて、改めて歌舞伎化について、したことと仕上がりに?が増えました。
注釈も面白く、初版から桃源社版までの各版のテキスト比較もあった。解説までも、読み応えたっぷり。乱歩すごかった。本当はパノラマ島奇譚が読みたかった。乱歩は濃厚すぎてちょっとくたびれたので、しばし間をあけようと思う。

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