« 『江戸川乱歩全集第9巻 黒蜥蜴』 | トップページ | 第63回野村狂言座 »

2013年7月25日 (木)

『舟を編む』

読んだのは5月ころかな。覚書。
三浦しをん『舟を編む』(光文社)を読む。ああ、いい本だ。どうして今まで読まなかったのだろうと悔みたくなるほど、私の心に響く本でした。2012年本屋大賞受賞作。
辞書を大切にしようと心に決めた。検索で調べるだけではなく、辞書のページを繰ろう。便利なものを否定するつもりはないけれども。辞書で調べることにより、出会うものも大切にしよう。
辞書を編纂することの大変さが、ずしずしと響く。辞書というものは、何十年もかけて作られるのかと驚いた。辞書に間違いがあってはならない。辞書に書いてあることイコール正解なのだから。辞書の担う重責がよくわかった。辞書ってすごい。
「言葉」が好きで、「言葉」の力を感じ、「言葉」の奥深さにはいつまでも驚かされる。そんな松本先生の、ひたむきな人生がまぶしかった。人生に成功も失敗もないと思った。今までのの言葉を大切にする一方、新しい若者が口にする流行言葉もまじめに調査する。言葉に魅了された先生の熱が、しずかにけれどもしっかりと根をはって広がっていく。一生をかけて手がける大きな何かをもった人と、一緒にやり遂げる喜び。
古風なもの・ことがとても好きなので、変人として出版社で その存在を持て余されていた馬締光也が、持ち前のコツコツで編纂室になくてはならない存在になっている。浮世離れした青年は 室のみんなから愛される。世渡りのうまい同期の西岡がよかった。人としてのあせりとかよくわかる。そして、ちゃんと芯のある男になっていく。自分のやり方をみつけることのできた彼らの仕事っぷりに魅せられた。
とんでもなく いい本だとしびれた。両親にすすめました。2人共読んで、ほぉーっと感心してました。押しつけてでもすすめたくなる。熱さがうつる。そんな本。

|

« 『江戸川乱歩全集第9巻 黒蜥蜴』 | トップページ | 第63回野村狂言座 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/81962/52604736

この記事へのトラックバック一覧です: 『舟を編む』:

« 『江戸川乱歩全集第9巻 黒蜥蜴』 | トップページ | 第63回野村狂言座 »