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2013年10月 6日 (日)

通し狂言 義経千本桜 夜の部

古風で、おおらかで、歌舞伎らしいいい義経千本桜だった。地に足のついた、ゆるがない大きな芝居でした。キレよく俊敏に演じる時代を通りすぎ 間を味わいを感じさせるものでした。
特に、木の実がよかった。ほれぼれしました。仁左衛門さんの権太は狡猾なんだけど、一つ一つのしぐさが決まりすぎる程決まっていてかっこうよかった。いけしゃあしゃあと金をだましとる。こんなことで金がもうかるなんて、いいしょうべぇだねぇと独りごちる。ここがいい。悪党なのに、しかも小悪党なのに、いやらしくない。そりゃ、うまいことやれそうな説得力があった。ぼっちゃんに木の実をとってあげましょうという、さわやかで人のよさそうな様をみせ、一転しお武家さまがそんなことをなさるとはと手の平を返す。 金をだましとってやったと悪い顔をした後、己の倅の手の冷たさに優しい顔をみせる。小さく冷え切った手の平を己の顔に押し当てあっためてやる。遊んでやろうとすれば丁半とろくでもないことばかりする。悪い奴でも、惚れた弱み。女房の小せんは秀太郎さん。なんとか、その気にさせて家に一緒に帰ろうとする。家族一緒にさえいれば、うちの人は悪いことなんてしやぁしないのに。権太が倅を背負い、女房をからかい帰路につく、その短くも幸せそうなひとこまを作るのがうまい。 事象をこっちからみたり、あっちからみたり。悪いひとでも始終悪い訳ではない。いろんな面を魅せるうまさが際立った木の実でした。
梅枝くんの恐ろしい程まじめな小金吾もよかった。小金吾が刃を抜こうとした右手を座ったまま権太が右足で止める型が、とっても好きなのです、今回もきっちり決まっていました。ぴったりとはまる。うーん、かっこいい。
つづく、小金吾討死でも礼儀正しく几帳面な感じがとてもよかった。大立ち廻りの中、すっきりと涼しげでした。若葉の内侍と若殿を守るため命をけずって弱っていくのだけど、さわやかさを保ちつつきっちり決めていました。チームワークのよい大立ち回りでした。
すし屋。時蔵さんの弥助は品がある。娘を不憫に思い涙する。泣くなら、いい顔しなきゃいいのにと思うけれど、そこは別。「いまもどった」の稽古をしたりする。この先の悲劇を全て承知した上でのおかしみ。くすっとしたり、じんわり泣かされたりと、観ているこっちは、いい意味で翻弄されます。
川連法眼館。はじめてみたのは、菊五郎型でした。ちょっとしたしぐさに小狐を感じさせる。ケレン味はつよくないけど、やっぱりこの型は好き。かわいい子狐くんがの可愛らしさや親を思う気持ちの強さのメリハリが効いている中村屋の型や、澤瀉屋型のみなさまを楽しませようとするサービス精神の型もある。それぞれ意味があるのだなぁ。時蔵さんの赤姫がとてもよかった。義経にあいたかったと駆けつける姫心がかわいい。心をしっかりみて、人でも獣でも何を思うかをちゃんとみてあげる姫でした。梅玉さんの義経はいつもながら品がいい。主君を守る気になる位がありました。菊五郎さんの実ハ源九郎狐は温かでした。おだやかな川連法眼館で、よかったです。
観劇しつつも なんか寒いなあ。身体の芯が変な感じだなぁと思ったら熱が出た。あーあ。道楽しすぎか。日常が忙しいときには休日はしっかり休息すべきでした。手遅れだけど反省。

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