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2013年11月27日 (水)

明治座花形舞踏公演

藤間勘十郎フ゜ロテ゛ュース 明治座花形舞踏公演にいってきました。平成生まれの舞踏家と歌舞伎役者。奮闘公演でなく、ちゃんと花形公演になっていました。
最初は「操り三番叟」歌昇くんの三番叟。後見は隼人くん。隼人くんもしっかりしてきました。歌昇くんをみると、襲名というのは成長するチャンスなのだなとしみじみ思う。しかし人形振りというのは難しいものだなぁ。 次に「三社祭」。悪玉善玉を種之助くんと廣松くん。廣松くんがこんなに踊れるとは。おみそれしました。この難しい踊りは、みていて本当にわくわくします。最後にたっぷりと。「六歌仙容彩」文屋康秀を菊之丞さん。小野小町を中村江梨さん。江梨ちゃんじやなくて江梨さんになっていました。僧正遍昭と文屋康秀を菊之丞さんと踊り、在原業平を花柳芳次郎さんと。喜撰法師と大伴黒主を、藤間勘十郎さんと市川ぼたんさんで。喜撰法師が、特によかった。今年の夏にみた三津五郎さんの喜撰法師のすばらしかったことが目に焼きついています。藤間勘十郎さんの喜撰法師は、勘十郎さんらしい軽快さとキレとなにより明るさがよかった。ぼたんさんの祇園のお梶は、さっそうとしていてよかった。

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2013年11月22日 (金)

『民王』

子供の王様の次に、民の王の話を読む。池井戸潤『民王』 (文春文庫)。 心と身体が入れ替わってしまうよくある話。よくある話なのだけれども、それだけではない。神のいたずらの不可思議な現象ではなく、人による巨大な陰謀によるものであった。
ベタな設定なのだが、入れ替わるのが総理大臣とその息子なのだ。漢字の読めない総理、酔っぱらい大臣と不祥事続きの政界。文句なら私でも言えるよといつも思っていたので、揚げ足取りばかりで本質の討議をしようとしない政界やマスコミのやり方を批判してあって気分がよかった。その場しのぎでなく、心に一本道の通った人になろうとしていく親子の様子は、よかった。気軽に読むことができる展開。楽しく読んで、何か心に残るものがある。読みやすく大事なことが伝えられるのは、いいことだと思う。
民のためにという基本的な大前提を取り戻していく。もともとそういう気質がある人しか、自分をとりもどせません。コミカルだけど、軽いだけでなくよかった。

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2013年11月20日 (水)

『子どもの王様』

殊能さんを偲んで読書中。まだ未読でした 殊能将之『子どもの王様』(講談社ノベルス)を取り寄せて購入。団地に住む子どもの世界。団地住人には、とてもよくわかる。家の間取りの感じ、棟の配分、公園の位置づけや関係性など。子供には団地が王国であり、子供には子供のルールが存在する。力の強さは、腕っぷしと親の事情と複雑でもある。大人が子供に隠しているさまざまな事情を感じとり、自分なりに考え、行動したりとじこもったりする。最後まで大人がその真相に気がつかない展開といい 世界感がとてもおもしろかった。

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2013年11月18日 (月)

伊賀越道中双六

京都散策仲間とわかれ、一人で大阪へ。昨晩、大阪でたっぷり睡眠をとりました。なぜならば、文楽鑑賞が控ているので。
大阪文楽劇場へいってきました。第一部は、10:30~04:00まで。途中休憩は、25分と10分のみ。あとはびっしりと文楽鑑賞。「公益財団法人文楽協会創立50周年記念 竹本義太夫300回忌 通し狂言 伊賀越道中双六」鶴が岡の段から、千本松原の段まで。東京の国立小劇場とは、雰囲気がことなります。床の上に御簾もあり、御簾内という形があることを知りました。
鶴が岡の段で、発端になることが こんなことなの!と驚く。酒と女じゃないないですか。勅使なのにしっかりしなさい。飲むならちょく(猪口)じゃなくてコップがいいみたいな落語のオチのようなことを言ってるし。そうそう、文楽劇場では字幕が上にでるのですね。ショッキングピンクのような色は日本語でなんていうのでしょう。そんな裃の肩布がとても効果を出していました。丹右衛門が最後に代わりにと肩にぱっとかけて決めた時のかっこいいこと。休憩なしにどんどんと進むのですがみるところがいっぱいあって、どんどんくたびれてきます。和生さんのお谷は、上品で悲しそうででも毅然としていてきれいでした。感情移入するのですが、一方 えーと驚くところも多い。すぐに自害したがったり、決闘と言ったり、刺し違えたり、切腹する男気もあり、卑怯に切りつけたりもする。結構人が亡くなるので、これだまた仇打ちとか始めたらとちょっと心配になる。命をどうおもっているのと説教したくなるほど死に意味やあこがれさえも持たせているような。男の世界では仇打ちは晴れの舞台と、哀しみの2面性があるが、女の世界では哀しみでしかないのだなと思った。
一番気になっていたのは、沼津の段。歌舞伎でみた沼津がどうなるのかと。沼津になると、平作が登場するので勘十郎さんが登場。まってました! 義太夫の床には、「沼津里の段」に寛治さん、「平作内の段」に清治さん、「千本松原の段」は住大夫さん。おおおおお。重鎮。次から次へと人間国宝が。文楽はまだまだ勉強中でよくわかっていないのですが、このすごさだけはわかる。訴えてくるものが違う。大きな声じゃないのに、より耳に聞こえてくる。心に響く。しびれる。舞台には蓑助さん。勘十郎さんが大好きで、登場するとうれしいのですが、蓑助さんがつかう人形をみだすと目が離せなくなる。人よりもたおやかにみえてくる。これが本物だ!と訴えてくるものに圧倒される。おじいさんが語り、おじいさんが操り、よってたかって おじいさん達に泣かされました。えーんえーん。
素晴らしいものをみました。あまりのインパクトでしばらく(今年は)文楽みなくていいと思うほど。濃厚な物語でした。

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2013年11月17日 (日)

紅葉狩

いい披露宴でした。わいわいと楽しかった。いい伴侶を得てうらやましい。
式の翌日、大勢で朝食。旅行っていいなぁ。各自、いろいろな用事で日曜日に京都散策に残るのは3人。出発時刻になってもどこに行く?という自由きままさ。南禅寺に行くことになりました。のんびりと歩いているとみごとに刈り込まれた松と南天にひきつけられました。東照宮という文字が。ここはなんでしょう。「金地院」でした。まずは、ここを訪れることにしました。同行の友に金地院崇伝のことを教わる。黒衣の宰相の話を聞き、そんな本を読んだような。何だったのでしょう。長谷川等伯の猿候捉月図の襖絵や、八窓席の茶室などの説明を受け、をゆっくりと見学。最後に小堀遠州の鶴亀の庭園の説明。卵を抱いた鶴の嘴といわれるが、どうしてもそう見えない。鶴がどんな姿勢をとっているのか教わったり、のんびりと過ごす。静かな時をすごした金地院を出て南禅寺に向かうと大にぎわい。感光バスが何台も。山門に人がぎっしり乗っていて面白い。さっきまでの風情とのギャップがはげしい。キレイに色づいた木に、いいカメラを持った人が鈴なりになっているのとか、人混みも面白い。琵琶湖疎水の水の流れるさまを上からのぞき感心したりしているうちに空腹に気がつきました。町中に戻りお昼ご飯。お茶屋さんでお茶の講釈を聞きながらお茶を楽しんでいると、随分時間がたっていてびっくり。あんなに優雅な時間の使い方をしていたのに・・・・帰りの新幹線ギリギリに改札に駆けこむ友を見送りました。たまには、大勢の旅もいいものだなぁ。何度も、楽しかったねと言いあう旅になりました。

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2013年11月15日 (金)

京寿紅葉狩

京寿紅葉狩。外題風に奇数にしてみました。明日から京都へ。お稽古仲間の結婚式。師匠ご夫妻と仲間5人で駆け付けます。何を着るの?髪はどうしましょう?着付けは?なんていう そんな相談も久しぶりで なんだか盛り上がっています。夜会巻きの練習中。 土曜の式の翌日は京の町へ繰り出します。紅葉の具合はどうかしら。どこへ行きましょうか。私だけもう一日残り 月曜日に文楽を鑑賞して帰浜予定。楽しみ。忘れ物がないかしら・・・

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2013年11月14日 (木)

『鏡の中は日曜日』『樒/榁』

殊能さんの作品を大切に再読中。続いては殊能将之『鏡の中は日曜日』(講談社文庫)。これは、まるっきり忘れていて新鮮に楽しむ。
梵貝荘(ぼんばいそう)と呼ばれる法螺貝の形の館にはマラルメを研究する瑞門龍司郎が住む。この館で主人が主催する「火曜会」の夜に、殺人事件が発生する。この設定からしてワクワクする。子供のころ読む乱歩の世界の時に感じたような怪しさがいい。法螺貝の形の館で中庭には2階を通らなくてはいかれなくてと、いかにも何かがおこりそうな設定。「ぼく」による一人称の語りで綴られる。どうも頭に障害があるようで、関係性がはっきりしてこないところが謎をよぶ。第2章では、過去にさかのぼり、第3章では石動に焦点があてられた語りになっている。詩の脚韻という形式性を重んじたマラルメの象徴詩という雰囲気のある世界感。ミステリーについての造形が深ければ、ここからもっと沢山のちりばめられたものを読み取れるのであろうなと思う。さーっとよんでしまうのが惜しくなる本です。
同時収録の続編「樒(しきみ)/榁(むろ)」。こちらは、天狗の斧という2時間ドラマのような凶器。自称名探偵の石動戯作と、名探偵・水城優臣。謎についてより探偵の個性に魅かれて読むので、こういう感じも面白かった。探偵と助手の関係性を読ませる続編でした。うーむ。やっぱりいいなぁ、殊能さん。さみしい。

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2013年11月13日 (水)

『黒い仏』

殊能さんの作品を大切に再読。殊能将之『黒い仏』(講談社文庫)。
冒頭で、9世紀に天台僧が唐から持ち帰ろうとした秘宝について深くもの思いにふけった後、名探偵 石動戯作がいつもの調子で登場。助手の徐彬(アントニオ)が役に立たない感じでそばにいる。面倒くさそうなのに、拾われた恩義を誰よりも大切に思い忠節を尽くす。その律儀さを石動戯作に全く気がつかせずに。主役じゃないかと思うほど男気溢れるヤツです。
観光客の大勢訪れるような立派な寺ではない。田舎の寺、秘仏、僧侶。顔の削り取られた奇妙な本尊が。指紋ひとつ残されていない部屋で発見された身元不明の死体と黒い数珠。どんどん事件は複雑怪奇に。そして、謎なんかとけっこないという事態になっていく。それでもバラバラにならない展開がすごい。前代未聞だけど、かまわない。それは、一応 名探偵 ということになっている名探偵 石動戯作に割り当てられた力だ。一応名探偵か。いいなぁ。おおきな変化球と、ちょっとしたユーモアが非常にうまい人です。

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2013年11月12日 (火)

『美濃牛』

続けて殊能さん。殊能将之『美濃牛』(講談社文庫)を再読。ぶ暑い本。そして美濃牛。なんだか濃厚。内容も濃い。 
名探偵 石動戯作が登場。
岐阜の山奥に、病を癒す力を持つ「奇跡の泉」があるという。いかにもありそうなシチュエーションを、計算高く ありそうにすすめていく。この後、横溝正史でも読み直そうかしらと思うほど操られる。どうも調子が狂っちゃうことばかり言う名探偵に翻弄され、案の定事件に巻き込まれていく。山村で人が少なく、その中で殺されていく。奇跡の泉の土地の所有者がいて、泉を自分が遺産として引き継ごうと対決する息子達や、宗教として狙うもの、ヒーリング施設としての開発をうたう大手企業、なんだか勝ってに人があつまってきて祭りあげられちゃった人など、癖のある連中の配分も面白い。大量の引用や参考文献が溢れていて、この700ページを越す分厚い文庫のための、労力に思いをはせる。こんなに下準備をして、綿密に入り組んだ展開の中、名探偵 石動戯作ののんきな考察がすごい。俳名を持ちたくなった。俳句をよんでいないけれども。 あーすごい人だったのだなぁ。もっともっと読みたかったなぁ。

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2013年11月11日 (月)

『ハサミ男』

殊能さんを偲び、読み返す。殊能将之『ハサミ男』 (講談社文庫)。こんなに面白かったとはと改めて驚き、楽しむ。すごいなと思った記憶はあったのですが、わりと忘れていて ぐいぐい引き込まれて読む。
美少女を殺害した後に、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人。猟奇殺人の薄気味悪さを残しつつ、マスコミの執拗で攻撃的な面など、各所に微妙なバランスをとり、かつ混乱させる点が面白い。人を殺すことをやめられず、かつ自分の命を自分で断とうとし失敗を重ねる。自分自身を保っていられない面の怖さ。壊れた人の内面を描くのがうますぎて、ちょっと酔う程。奇抜さで驚かすのではなく、オチがつくみたいに騙す展開が面白かった。よくできた本です。

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2013年11月 8日 (金)

さらば八月の大地

仕事帰りにかけつけてきました。母と新橋演舞場にて『さらば八月の大地』をみる。なぜならば、勘九郎ちゃんが出ているから。夢中です。
山田洋次演出で、戦時下の満州映画撮影所にて国境を超えた絆で映画に夢をかけた人々の話。勘九郎ちゃんは、助監督の張凌風という中国の人の役でした。中国語を話していました。日本語のアクセントもちょっとおかしくしていて大変そう。やっぱりうまかった。初めての主演の映画に意気込む中国人女優に檀れい。さすが華があります。3階のはしっこのお安い席からでもきれいさがわかりました。理事長の木場さんもよかった。中国という土地の中に日本が侵略し満州という国を勝手につくる。今井翼演じる日本人の撮影助手は、事情がわかっておらず悪気なくひどいことを言う。物を知らないということはどれだけ人を傷つけるか、自分がしてしまっているようにみる。物を知っていき、戦争のひどさを知る。それでも謝るのでなく普通に接する。悪いものには一緒に立ち向かう。映画が好きっていうことで結ばれる絆が、よかった。舞台っているより映像風なので、生の舞台にしてはちょっと淡々としていました。でもそこもよかった。

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2013年11月 4日 (月)

明治座花形歌舞伎 夜の部

おさるにおとづれた幸運の御相伴にあずかりました。明治座 十一月花形歌舞伎をご招待していただきました。もうしわけないのですがあまり期待していませんでした。そんな自分を謝ります。面白かった!
まずは、毛抜から。これは、難しい問題を感じました。粂寺弾正をきちんと演じているのですが、ユーモラスとか愛嬌とかがない。獅童さんは愛嬌があるけど、そういう個人的なのじゃだめなんです。おおらかで突拍子もないところが豪快でいい演目なのに。周りもみんなうまかったのに、なんだか普通の話でした。錦の前の新悟くんがおおようでよかった。
幕間には豪華なお食事がついていました。懐石を30分で食べるのは惜しいようです。
つぎに、澤瀉十種の内 連獅子。連獅子大好き。澤瀉十種という演じ方がとても興味深かった。明快でした。神妙にみるというよりも親子の愛情がわかりやすく、こういう表し方もあるのだなぁと。親獅子は右近さん。仔獅子は弘太郎さん。 弘太郎ってこんなにうまいのね。親はゆったりとして威厳がある、子はキビキビ 大きく跳躍として愛らしい。はっきりわかりやすかった。踊り分けの妙だなぁ。毛振りは、まわりながら振るという高度なテクニック。どうしても軌道があまくなるのでもったいない。美しくみせることより楽しませてみせたいという現れでしょうか。いろんな流派のものをみるのって面白い。終わったあと、あつく語りあいました。そうさせる踊りでした。
最後に、権三と助十。この世話ものの感じをうまく表せるのかと心配しました。実際はこういう年ごろの話なのだなぁ。ちゃんと世話の雰囲気が出ていて面白くみることができました。この演目は昔歌舞伎座でみました。たしか團菊祭だったかと。井戸替えに長屋の人達がゾロゾロとでてくるのが面白くてしかたなかった。みていて、あの時は、これが菊五郎さんでおかみさんは時蔵さん。あちらは三津五郎さん。弟は権十郎さんで秀調さんが猿遣い、大家さんは左團次さん。小間物屋の息子が菊ちゃんで團蔵さんが怖かったなぁと事細かに配役を思いだしました。記憶力の配分を間違えて暮らしているようです。こういうのは覚えようとしなくても覚えちゃう。 獅童ちゃんの権三に、笑也さんの女房。長屋っぽかった。助十は松也くん。こんなに上手に世話ものができるとは(すみません)。うれしくなる。弟 助八は弘太郎さん。俄然大注目です。うまいねぇ。無駄に飛びはね、おっちょこちょいさを出してました。江戸っぽい。若いのに。大家は、右近さん。もうおじいさんでした。ルパンぽいおじいさん。おじいさんにしかみえなくて、うまかった。一目おかれてる感がでていました。首の確度とかうまい。 左官屋をしゃかんやというところが澤瀉っぽい。左官屋勘太郎は猿弥さん。怖かった。團蔵さんのいかにも強面の怖さじゃなく、底しれない恐ろしさ。心がわからない恐怖を人に与えます。まるまるしていて、丁寧なのに怖い。 笑三郎さんがかっちりと上方の小間物屋さんを演じていました。長屋連中は江戸っこでした(獅童さんだけは普通に話している感じでしたが)。いきいきとして、楽しい芝居でした。
歌舞伎座と比べると随分値段を下げてくれていますが、花形の時はもう一声お手軽な値段でみることができたらいいのになぁ。普段歌舞伎をみない人がみても楽しそうだもの。

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2013年11月 3日 (日)

通し狂言 仮名手本忠臣蔵

文化の日。歌舞伎座に討ち入り。昼夜通しで、通し狂言 仮名手本忠臣蔵を観てきました。重鎮ってうまい。あたりまえだけど。
大序」から十一段目まで たっぷりみて、ぐったり。本懐を遂げたので満足です。忠臣蔵の度に読み返す、関容子さんの『忠臣蔵』(文庫)を持ち、昼夜のお弁当を作り、歌舞伎座で堪能してきました。終日3等Bからだけど、上の方からみても楽しかった。
口上人形からきちんとみる。祈の数を数えたり幕あけから集中。大好きな大序。本当にこの段はいい。いかに師直という、七くんの直義の発声とか、人形のようにうつむく人物たちが徐々に動きだす様子が美しい。芝雀さんの顔世は、事件のきっかけとなるような可愛らしさと品がありました。血気さかんな若狭之助の梅玉さん。おだやかそうな菊五郎さんの判官、そこへドーンと居座るように左團次さんの師直。いい顔ぶれです。これが、古式ゆかしいってことですね。時の流れる感じがゆったりしていて雰囲気がありました。顔世に恋慕していた師直が、権力をかさに顔世に言い寄る。そういう場面も鷹揚としていてすばらしい。
三段目。進物の場。鷺坂伴内は松之助さん。幹部になられたそうです。披露なのに仁左衛門さんはお休み。その分力いっぱい拍手をしました。えへんばっさりではなく、右足をだしたらばっさりでした。おかしみもばっちりです。続いて、松の間刃傷の場。ここがとてもよかった。卑屈なのにおおらかな左團次さんの師直。むしゃくしゃした思いで判官に合う。そこへ顔世からの文が届く。文に一度はにやけるが、読みとくにつれ怒りの矛先が塩冶判官に向かう。しかもねちねちと陰湿に。場の空気の流れがいいのがさすがに重鎮です。うまい。どうなるかわかっているのだけど、耐えかねた判官がついに師直に斬りかかる!という時にはっと驚いちゃう。うまい。来月は若手になりますがどうなるでしょうか。
判官切腹の場もすばらしかった。諸士たちがみえない廊下にずらっと並ぶ気配を感じました。原郷右衛門の東蔵さんもよかった。いろいろな働きの動作が静かできれい。斧九太夫の嵐橘三郎さんも幹部になられたそうです。自分勝手なのですが、殿はおのともくだとも言うてはくださらなかったと、ぽつりというところが寂しくてよかったです。駆け付ける由良之助は吉右衛門さん。菊五郎さんの判官が腹切刀を形見にとれと渡す。その後、かたきをとれと言う。言葉の一つ一つにしっかりと想いがこもる。言葉がきいてくる。さすがだなぁ。力弥は梅枝くん。首のきれいさが目立つ。若々しさが出ていました。じっと判官をみる後ろ姿がよかった。後ろをむいてもうまい。 主君の仇討ちに逸る諸士たちが、 本当の若い御曹司達で、おさえきれない緊迫感がありました。動きにキレがありきれいでした。由良之助が鎮めている時に地震があり揺れました。吉右衛門さんが堂々と台詞を続けていました。
表門城明渡しの場で神妙になったあと、道行です。梅玉さんの勘平は、詫びて腹を切ろうとまでしているのにおかるに説得され まぁいいかと山崎の里へと向かう。このおおらかな明るさが道行の味なのだなぁ。時蔵さんのおかるも明るくてよかった。
夜の部、すっきりとした松緑さんの斧定九郎。勘平の菊五郎さんは今日2回目の腹切だなぁ。時蔵さんのおかるは勘平さんに惚れている感じが可愛くて哀れでした。
七段目。梅玉さんの平右衛門は若々しかった。この段のおかるは福助さん。平右衛門は連判に加えられたけど、おかるはこの後どうするのだろう。最後にさみしさも出ていました。夜の力弥は鷹之資くん。しっかりしてました。
もう、くたびれちゃったなと思いつつ十一段目の大円団は意気が上がります。高師直を変わらずに演じるわけにはいかないのでしょうかとちょっと思うけど、本懐を遂げた諸士諸君おめでとうございます。
観ていただけなのですが、くったくたです。見応えありました。

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2013年11月 1日 (金)

巡業 松竹大歌舞伎

三津五郎さん休演につき配役変更となった松竹大歌舞伎をみてきました。応援せねば。当日券でみてきました。開演までもう間もない時に行ったのに、かたくなに残席はおみせできませんと拒むゼンエイ(主催)。変なの。
まずは、野崎村から。初役って本当ですか?と言いたくなってしまうほど余裕を感じるおみっちゃんでした。愛しい久作さんなのに、つっかかったりして。感情移入しやすい。油屋娘お染は、天才右近ちゃん。そこら辺のお嬢ちゃんじゃない、大切に育てられた娘さんでした。おっとりしているけど情熱的。形とかひとつひとつきれいなのですが、何か一つ幕がかかっているような。あんなにうまいのに、大きなお役というか長く登場していることがそう多くないので、人にみられている感が足りないのかも。お稽古場で鏡の前で踊っているような。うまく。 この巡業の一ヶ月が過ぎたら、よりパワーアップするのではないかしら。そんな期待にみちたお染さんでした。あっちからもこっちからも惚れられる久松は巳之助くん。ちょっと頼りなくてそこが奴の手かもしれないという感じでした。彌十郎さんの百姓久作。8月に何度かみたなぁ。
休憩をはさみ、江島生島。舞踊劇だったことに驚きました。こちらの天才右近ちゃんの方が、うまさが引き立っていてよかったです。生島は三津五郎さんのかわりに菊之助さん。舟の上の二人。その楽しい様は夢の中の逢瀬であった。場が変わると破れた小袖を着た生島。しかし、何をやってもうまい人です。動作も心をちゃんとつかんでいるし、立ち姿がきれい。声がきれい。下手なのないのかしら。孤島で海女の姿をみては江島かと思う。江島に似た海女、右近ちゃんを追い 海女達にからかわれる。江戸からやって来たという旅商人を、引き留め引き留め自分の身の上を語る。舞踏劇ですが、状況がよーくわかり、とても興味をもてるお芝居でした。これから北海道から沖縄までまわるそうです。がんばれー。

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