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2013年11月12日 (火)

『美濃牛』

続けて殊能さん。殊能将之『美濃牛』(講談社文庫)を再読。ぶ暑い本。そして美濃牛。なんだか濃厚。内容も濃い。 
名探偵 石動戯作が登場。
岐阜の山奥に、病を癒す力を持つ「奇跡の泉」があるという。いかにもありそうなシチュエーションを、計算高く ありそうにすすめていく。この後、横溝正史でも読み直そうかしらと思うほど操られる。どうも調子が狂っちゃうことばかり言う名探偵に翻弄され、案の定事件に巻き込まれていく。山村で人が少なく、その中で殺されていく。奇跡の泉の土地の所有者がいて、泉を自分が遺産として引き継ごうと対決する息子達や、宗教として狙うもの、ヒーリング施設としての開発をうたう大手企業、なんだか勝ってに人があつまってきて祭りあげられちゃった人など、癖のある連中の配分も面白い。大量の引用や参考文献が溢れていて、この700ページを越す分厚い文庫のための、労力に思いをはせる。こんなに下準備をして、綿密に入り組んだ展開の中、名探偵 石動戯作ののんきな考察がすごい。俳名を持ちたくなった。俳句をよんでいないけれども。 あーすごい人だったのだなぁ。もっともっと読みたかったなぁ。

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