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2013年11月 3日 (日)

通し狂言 仮名手本忠臣蔵

文化の日。歌舞伎座に討ち入り。昼夜通しで、通し狂言 仮名手本忠臣蔵を観てきました。重鎮ってうまい。あたりまえだけど。
大序」から十一段目まで たっぷりみて、ぐったり。本懐を遂げたので満足です。忠臣蔵の度に読み返す、関容子さんの『忠臣蔵』(文庫)を持ち、昼夜のお弁当を作り、歌舞伎座で堪能してきました。終日3等Bからだけど、上の方からみても楽しかった。
口上人形からきちんとみる。祈の数を数えたり幕あけから集中。大好きな大序。本当にこの段はいい。いかに師直という、七くんの直義の発声とか、人形のようにうつむく人物たちが徐々に動きだす様子が美しい。芝雀さんの顔世は、事件のきっかけとなるような可愛らしさと品がありました。血気さかんな若狭之助の梅玉さん。おだやかそうな菊五郎さんの判官、そこへドーンと居座るように左團次さんの師直。いい顔ぶれです。これが、古式ゆかしいってことですね。時の流れる感じがゆったりしていて雰囲気がありました。顔世に恋慕していた師直が、権力をかさに顔世に言い寄る。そういう場面も鷹揚としていてすばらしい。
三段目。進物の場。鷺坂伴内は松之助さん。幹部になられたそうです。披露なのに仁左衛門さんはお休み。その分力いっぱい拍手をしました。えへんばっさりではなく、右足をだしたらばっさりでした。おかしみもばっちりです。続いて、松の間刃傷の場。ここがとてもよかった。卑屈なのにおおらかな左團次さんの師直。むしゃくしゃした思いで判官に合う。そこへ顔世からの文が届く。文に一度はにやけるが、読みとくにつれ怒りの矛先が塩冶判官に向かう。しかもねちねちと陰湿に。場の空気の流れがいいのがさすがに重鎮です。うまい。どうなるかわかっているのだけど、耐えかねた判官がついに師直に斬りかかる!という時にはっと驚いちゃう。うまい。来月は若手になりますがどうなるでしょうか。
判官切腹の場もすばらしかった。諸士たちがみえない廊下にずらっと並ぶ気配を感じました。原郷右衛門の東蔵さんもよかった。いろいろな働きの動作が静かできれい。斧九太夫の嵐橘三郎さんも幹部になられたそうです。自分勝手なのですが、殿はおのともくだとも言うてはくださらなかったと、ぽつりというところが寂しくてよかったです。駆け付ける由良之助は吉右衛門さん。菊五郎さんの判官が腹切刀を形見にとれと渡す。その後、かたきをとれと言う。言葉の一つ一つにしっかりと想いがこもる。言葉がきいてくる。さすがだなぁ。力弥は梅枝くん。首のきれいさが目立つ。若々しさが出ていました。じっと判官をみる後ろ姿がよかった。後ろをむいてもうまい。 主君の仇討ちに逸る諸士たちが、 本当の若い御曹司達で、おさえきれない緊迫感がありました。動きにキレがありきれいでした。由良之助が鎮めている時に地震があり揺れました。吉右衛門さんが堂々と台詞を続けていました。
表門城明渡しの場で神妙になったあと、道行です。梅玉さんの勘平は、詫びて腹を切ろうとまでしているのにおかるに説得され まぁいいかと山崎の里へと向かう。このおおらかな明るさが道行の味なのだなぁ。時蔵さんのおかるも明るくてよかった。
夜の部、すっきりとした松緑さんの斧定九郎。勘平の菊五郎さんは今日2回目の腹切だなぁ。時蔵さんのおかるは勘平さんに惚れている感じが可愛くて哀れでした。
七段目。梅玉さんの平右衛門は若々しかった。この段のおかるは福助さん。平右衛門は連判に加えられたけど、おかるはこの後どうするのだろう。最後にさみしさも出ていました。夜の力弥は鷹之資くん。しっかりしてました。
もう、くたびれちゃったなと思いつつ十一段目の大円団は意気が上がります。高師直を変わらずに演じるわけにはいかないのでしょうかとちょっと思うけど、本懐を遂げた諸士諸君おめでとうございます。
観ていただけなのですが、くったくたです。見応えありました。

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