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2013年12月 6日 (金)

第64回野村狂言座

宝生能楽堂へ。 第64回野村狂言座をみてきました。
遅れてしまい解説はまにあいませんでした。最初の「苞山伏」がはじまっていたので後ろでみました。人の苞(つと)の中のお昼ごはんを食べてしまって、それを山伏のせいにしようとした男が、法力で仕返しにあうというのどかな話。たわいもないといってしまえるような展開こそ、狂言の持ち味がよく出るもだなぁと、改めて感心する。きょうはちゅうじきを忘れてしまったのでちょうどいいというくだり、「ちゅうじき」中食?あー昼食かと頭の中で展開させる。配布される語句解説は、役に立ちます。こっそり、寝ていた人のお昼を食べておいて、山伏のそばにおはしを投げて寝たふりをする。私は食べていませんよ。おはしがあるからあの人じゃないですかと山伏に罪をなすりつけようとする。子供か。 山伏は又三郎さん。野村又三郎一門の方々の おおらかな苞山伏は、なんだかとても気に入りました。
おおらかな騙しあいの後は、ずるい男の話「胸突」。借りたお金を返すのがイヤで、居留守を使ったり。とうとう突き飛ばされてしまう。それでも突かれた胸が痛いと大騒ぎをする。あまりに騒ぎ利息を負けてやるとまで言われる。もういいと言われるととたんに治ってしまう。バカバカしいほどのことを、古風な雰囲気でたっぷりみせる。ずるい男は萬斎師。ニヤっとした感がおもしろかった。
そして「鎌腹」。万作師が妻に腹を立て、侮辱された悔しさに腹に鎌をあてて死んでみせるといきがる。おー死ぬかと思ったと驚いたり、みごと腹に突き立ててみせるので見物さっしゃれと叫んでみせたりする。独りで人のいろんな面をみせる。大真面目に騒ぎ立てる様は愉快で、愉快だけでない深刻さもある。今日のところは山で仕事をして家に帰ってやることにする。すっと、そういう気持ちになったところに、ほぉと静かに感じるものがあった。行きかかった人に、これから1仕事して帰るので洗足の用意をして待っているようにと妻に伝言を頼む。引き際にほぉっと思ったのであろうか。山の夕暮れにまだ少し間のある時間の色や空気を感じた。すばらしかった。
最後の「樽婿」は、婿として初めて妻の実家に挨拶にいき、人間違いされてしまうという話。使いのものがいないと聞き、では私がついていってやろうという何某。何某の萬斎師の方が婿だと思われ、本当の婿の石田師は使われているものと間違われ家にいれてもらえない。何某が歓迎され 酒までふるまわれている様を、悔しがる。なんで間違えるかなぁ。
今年最後の狂言座は、単純なことをいかにおおらかにあらわすことができるかたっぷりとみせていただきました。 人の失敗をおもしろおかしく表しているだけでない。品よくおかしい。ここがポイント。 おおらかで、のんびりした空気感を堪能しました。

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