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2013年12月10日 (火)

シネマ歌舞伎 春興鏡獅子

シネマ歌舞伎をみてきました。今回は、東銀座の東劇だけでなく横浜でも上演がありました。勘三郎さんが獅子頭を回す写真が印刷された前売りを買って楽しみにしていました。
映画が始まる前に、追悼ということで勘三郎さんの思い出の場面の上演がありました。あれから1年経つのですね。いまだに信じられません。歌舞伎座の思い出の名優達のところに、勘三郎さんや團十郎さんの写真が飾られているのがイヤで、最近はあまり近づかなくなりました。また舞台でキラキラしている姿がみたいのに。勘三郎さんと三津五郎さんの場面をみていたら、とても悲しくなって泣けてきてしまいました。
歌舞伎座の舞台で春興鏡獅子と始まると、おセンチにならずに シネマ歌舞伎を鑑賞することができました。よく見えます。弥生が無理やり呼び出されて、もう観念してお辞儀をするところ。なんとなく観客にしているような気がしてしまいますが、おれは殿に頭を下げているということがよく伝わる。弥生の舞を細かくたっぷりと鑑賞しました。あたりまえだけど、この動作の次にこの動作と順を追っているのでなく、身体に染み付く程踊りこんだものなのだなと。それを丁寧に丁寧に繰り返す。かわいらしさのある弥生にうっとりしました。
胡蝶は千之助くんと玉太郎くん。その気とキレのよさですいすい舞う千之助くん。一方の玉太郎くんは子供っぽさがあいらしい。今は、もっと達者に踊っているけどこの時はちっびこ度が高くかわいかった。ちっちゃいながらも堂々と舞う立派は千之助くん。相手があうことを意識して一生懸命相手をみる玉太郎くん。年の差が踊りにでてしまってはいるがかわいらしかった。
獅子になって勘三郎さん登場。美しかった。私はこの人の毛振りが一番美しく、一番速いと思う。気高い獅子でした。
シネマ歌舞伎って、あればみるけどそんなに意味はわからなかった。舞台で見た方がいいなと思っていました。でも今回、寂しいですがこの世にいなくなってしまった方の芸を、こういう形でみることができるという意味を感じました。
臨場感があり、舞台に登場したり幕が下りる時に拍手したくなりました。

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