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2013年12月29日 (日)

『天国旅行』

三浦 しをん『天国旅行』(新潮文庫)を読む。死をテーマとした短編集らしい。自殺や心中が主なのだけれど、テーマではない。もう死しかないと追いつめられ、思い詰めた時にふと耳に、心に、届くものがあるかどうか。その狭間にいるからこそ届くもの。人の心なんて簡単にわかるものじゃないという怖いくらいの冷たさや深さがある。
誰かの死により他の者が、その死に囚われてしまう。死はこわい。ひとりになる。死んでどうなると思っている私でも、心の傷のしんどさはわかる。でも、ほとんどのことは、死んでもどうにもならないとも思っている。死を美化するのは好きじゃない。ただ死は誰にもおとづれてしまうものである。そのことに向き合った話でした。
自殺をしようと富士の樹海にはいり、そこで出会った男に素直にとりみだしていく男の話が、好きでした。

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