『カブキブ! 2 』
榎田ユウリ『カブキブ! 2 』(角川文庫)を読む。『カブキブ! 1 』を読み、2を楽しみにしていました。豊富な人材を取り揃えた高校で、歌舞伎同好会を立ち上げるという都合がよすぎる設定にもかかわらず、根底に歌舞伎への愛情がしっかり感じられる本です。同好会を立ち上げることができるまでの仲間を集め、老人ホームで公演をうつというところまでつきすすんだ彼ら。2では、文化祭で公演をうとうと格闘する。強大な演劇部が立ちはだかり、内部でもいろいろもめごとがある。そこらあたりの青春模様も、いい。
バカみたいに歌舞伎が好きで、情熱の塊のクロですが、芝居はからきしという設定がいい。今回も、せりふもたっぷり引用されており味わうのもの面白い。歌舞伎の説明がうまいんだよね。ここが秀逸。人に説明していると、面白さが半減してしまう。みたくなるような説明って難しい。
「現代的な歌舞伎」を創るって意気込んでいるけれど、突飛なだけなのではと危惧しつつ読む。これが素晴らしいアイデア。国立劇場は、素直にこのアイデアをいただいたらどうでしょう。毎年毎年、あれだけの数の生徒が劇場に押し込められ鑑賞しているという実績ができあがっているのだから。歌舞伎のかっこよさが伝わると思う。
そして、この本を読むことで歌舞伎のかっこよさが伝わると思う。
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