利休にたずねよ
前売を買って待機していたのに、もう公開が終わってしまうところでした。映画館で利休にたずねよをみる。映画は映画館で。
本を読んだ時から、冒頭に利休が切腹する日になることに違和感がありました。この違和感がポイントなのでしょうが。映画もそうでした。どんどん時代が飛びエピソードが繋がれるところにひっかかりを感じるのは映像の方が強いかも。
大森朋の秀吉がとてもよかった。歴代1位くらい気に入った。手に入れても手に入れてもまだ足りないという貪りの欲。力を得ていくにつれ下品さが出る。したたかだけど上を夢見ている時のパワーと、全てを得てもまだものたりないいらだちがよく出ていた。伊勢谷の信長にはカリスマ性があるが、大森朋の秀吉にはない。その表現が実によかった。
海老蔵の所作の美しさはさすが。美にしかひれ伏さないという毅然とした態度には動かしがたいものがあった。若いころ、信長の前で自らの美を披露する。その時の優雅すぎる膝行が美しかった。たもとや袴の裾をあんなに華麗に動かすところが若さや美への恐れなき自信をあらわしていた。茶人というのは、手を袖にしまいみせないようにすることが大事なのであろうか。お茶を点て相手に振るまう一連の袖の動きがきれいだった。茶道が男の世界であったことがよくわかる。
團さまが言葉を話し、動く様子をみて胸がシクシクしました。團十郎のおおきさが懐かしい。舞台でみたいなぁ。
映画は美しくてよかった。派手すぎずそこがいい。もうちょっといいかと思ったけれど、このくらいが品よいのかもしれない。2回みたもの。
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