『小暮写真館(上・下)』
ハイチュウのバカ。
ハイチュウを食べたら歯がとれました。正確には詰めた部分が取れたのだけど。歯医者さんにくっつけてもらい事なきをえました。よかった。
年末に、お正月用に用意しておいた宮部みゆきさんの『小暮写真館(上・下)』(講談社文庫)を読む。この本をお正月用にしてよかった。いい本でした。上・下それぞれ2つづつの出来事が描かれています。1つが終わるたびに、鼻がツーンとして、目からちょっとなんかでちゃう。ええ話や。
普通に暮らしていく。イヤなこともあるけど、いいことだってある。人とかかわるのっておっくうだったり、怖かったりするけど、がんばって踏み出せばその甲斐がある。家族や友達とちゃんとつきあい、調子いいつきあいばっかちりしない花菱家とその周りの人びとのくらしは素敵でした。
とんでもなく悲しいことがあり、心がかき乱され心が壊れてしまうようなことが起こっても、それでもどうにか心を保ち「普通」にくらしていく。なかったことにせず、共に生きていき家族をつくる。どんな家にも多かれ少なかれ何かある。辛いことを不幸に思い恨んで生きていくよりは、こうやって地道に普通に生きていきたい。もめごとをさけてばかりいてはいけないなぁと思った。
どうにもならないことがおこる。その解決方法はなくても、心のおちつかせどころを見つけることはできる。人によって何が、そのところなのかはさまざまだ。見つけにくいそれを、一緒に探してくれる人がそばにいる。そういう人間関係が財産だなぁ。いい本だなぁと読み進めていくと、この明るい一家にも深く突き刺さっているものがあった。それはなんともつらい。そういうことと一緒に生きていこうとする。こういう心の強い人になろうと思う。すごい物語でした。
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