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2014年2月 1日 (土)

『龍は眠る』

1月が終わってしまっていました。2月はウカウカしないぞ

引き続き宮部みゆきさん読み返し中。宮部みゆき『龍は眠る』 (新潮文庫)を読む。台風の日にマンホールの蓋をあけておいたことによりひき起こる事件。そこに悪意があったのか。これはよく覚えていた。
超常能力者が出てくる話は難しいと思う。苦悩を持ったヒーローになりやすいし。力をもてあました少年、稲村慎司はそれをなんとか+にしようと葛藤する。相手の思っていることを知りたいという欲求を抑えるのが大変なこととか、なまじ事実を知ってしまったが故に苦しむこととか読んいて苦しくなった。
雑誌記者の高坂昭吾は、嵐の晩に稲村少年を拾う。雑誌記者のもとには、超常能力者を騙り記事にしてもらうとする輩もやってくる。信じ裏切られたり、のめりこみすぎて相手を追いこんでしまったり。失敗をくりかえし、その苦さを忘れないようにふんばっている記者たちと共に事件が進んでいく。
自分を信じてくれる人を助けようとする稲村少年。その少年のように力を持つことで苦悩し人を拒絶していた少年は、稲村少年に反発しつつも手を貸す。命掛けで。少年達は、不思議な力をもつことを人に気味悪がられるので言えない。だから黙って助けようとする。自分が手を貸したことを知られなくてもいいという無償の愛。あきらめていても、人はやっぱり誰かとかかわっていたい。自分だとわからなくもいいからというその悲壮な思いに胸が苦しくなった。
あっというまに時代がかわるので、やはり少し古びてきているところがあるけれど、やはりすごい本です。

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