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2014年2月11日 (火)

『長い長い殺人』

宮部みゆき『長い長い殺人』(光文社文庫)を再読。『小暮写真館』を読んだ後に読むと、昔の作品はやや稚拙だなと比べてしまう。語り部は登場人物の財布達。10個の異なる財布がそれぞれ自分の持ち主のことを語る。今の宮部さんが描いたら、表現方法が異なるのではと思うところもあるが、それは表面的な言葉の選び方具合のことで、序所に繋がっていく事件展開は面白い。絶対悪い人にしかみえない容疑者。世論も犯人と決めつける。噂の根拠のなさや、みな同じ報告を向くことの怖さに気がつかせるように描く。それはおかしいと気がつくものの意見に、誰も耳を貸そうとしないところや、自分が疑われてみて初めて気がつくという点など、じんわりいい。

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