『海賊と呼ばれた男(上)(下)』
ずいぶん前に読んだ本。
百田尚樹の『海賊と呼ばれた男(上)(下)』(講談社)を読む。いい!という声をきいていたが、何について描かれた話なのかを知らずに読みました。熱い男のロマンかなと。 男の世界ねというようなことでなく、日本人の誇りというものについて 恥じないように生きるべしと背中が伸びる本でした。人の道に外れることはいけない。不公平なことであれ、日本のためにどうがんばることができるか。企業が個人が得をするかどうかということにしか目を向けず、値段ばかり比較し切り捨てている現代は、戦後にふんばってきた彼らにとても恥ずかしいことをしている。自分の身さえ守られていたら、こういう時代だからと助け合うことすらしない。共に闘わない。文句ばかり言う。まず努力をしてきたと反省した。
必死に努力するに値する職場がまぶしかった。倒れる程働く。競合会社を蹴散らすためでなく、日本を豊かにするために働く。基本的に、人はがんばりたいのだと思う。いい指導者の元、必死に仕事をしたい。そのために苦労することはそんなにイヤではないはず。ところが、がんばる場がない。不条理で、わかっていない上司がいて。でも、この本の中の国岡商店のおかれた立場は、恵まれたものではなかった。恵まれたどころか何もなかった。戦争に国が負け、借金以外に残ったものはない。でも人がいる。死ぬほど努力して、少し上向きになると必ず大きな壁が立ちふさがる。でも負けない。壁を打ち破るにつれ仲間の心は強くなる。読みながら全力で国岡商店を応援し、無性にとことん働きたくなった。聞くべき話に真摯に耳を傾けよう。
人を大切に思うということを社訓にかかげる会社は多い。出勤簿なし、馘首なし、定年なしという 人を信じ 人もまた会社を尊重するところがあるであろうか。せっかく平和な世の中なのにどうなっちゃたのだろう。 どーんと心にうったえてくる本でした。
すごく大きなものを与えてくれた本でした。黙ってしっかりと前を向いて生きていこうとこぶしを握った。
歌舞伎座の横に薄い出光の建物がある。歌舞伎座が目立たなくなる建物だなと思っていたことを申し訳なく思った。焼け野原に、ここに建物が残っていたのかとジーンとした。来年は、せんがいのカレンダーを買ってみようかと思う。
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