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2014年5月25日 (日)

團菊祭五月大歌舞伎 夜の部

1405_6 千穐楽に、1階からじっくりとみてきました。舞台に近いって贅沢。
「矢の根」松緑さんの五郎は、おおらかで荒唐無稽な世界がよく似合っていた。 バカバカしいほど大きな矢の、根を砥ぐ。そういう設定をおおらかにみせていた。せっかく、キリっとしめてきた太い襷を、初夢を見るために横になるためにはずす。夢枕に兄の十郎が現れ助けを求めるので、スワ一大事とまた仁王襷をかける。それを舞台上で行うので、後見大活躍。襷をパッと床に伸ばした時にドスンという重い音がした。いろんなところが面白い演目。馬士畑右衛門は橘太郎さん。駆け付けるためにと、商売道具の馬を取り上げられ引っ込む時にクルッと回っていたことに気が付きました。ほうっ。乗っていた大根を斬り落とし、馬の背中に乗る五郎。親指と人差し指の間で縄をはさんで掴んでいたことを発見。ほうっ。楽しかった。
「極付幡随長兵衛」思ったよりもずっとずっとよかった。(どう思っていたのか・・・)長兵衛を演じると、團さまの面影が出るとことろがあった。 十二世市川團十郎一年祭として、選ぶのに相応しい演目ということを実感しました。初日にみたといには、俠客道を貫く俺!別れる俺!俺にちょっと酔っているかなと思いましたが、それを払拭しました。男気あふれる男でした。身分差がはっきりした時代に、武士でなく、堅気でもない町人。芝居小屋で、舞台をとめてクダをまく武士に、節度をもったように扱いつつも、理不尽なものを許さない。堅気のみなさんに御厄介をかけちゃあいけないと正義を通す。実に人気の出そうな男である。水野の屋敷から迎えがくる。あわてる子分や家のものを静かに制する。こういう稼業をしていたら死ぬことは避けられない。そういう覚悟をもって生きてきたのだとハっと思わせるものがあった。 水野のやり方は、ほめられたものではない。でも、男っぷりの良さにが面白くない。旗本だからこそ上からの圧力も、プライドもあり、上の身分のもの(長兵衛にとっての武士)を圧倒する度胸はないのだ。しかも市井で人気がある。気に入るはずがない。あいつをのさばらせておくのかと、旗本のやつらも押さえなくてはならない。男気あふれる男を、権力という卑怯な手で陥れる。断れないように仕向けても、あっさりと受け入れる。その覚悟に、殺すには惜しい男だとつぶやき、最後は手を合わる。ちょっと水野の気持が分かった気がした。菊五郎さんなので器の大きさがわかる。好きにはなれないけれどね。
長兵衛に海老蔵さん、唐犬に松緑さんという組み合わせなので、俺に何かあったら唐犬に従えば大丈夫だという信頼関係がわかりやすかった。俺の命なんか惜しくねぇといろめきだつ子分達。若くてちょっと可愛かったりもすれうけど、真剣に詰めよっていてみていて気分がいい。群をぬいていいのが天才右近くん。座った時に、襟もとの肌のさらけ具合といい、前傾ぎみでいつでも飛び出せる姿勢といい、鋭い目つきといい、子分の中ではピカ一だと思う。なかなか楽しめる極付幡随長兵衛でした。
「春興鏡獅子」圧倒の弥生でした。大変そうに踊っていない。玉三郎さんのようです。大変さを感じさせないところが。恐るべし菊之助。心根が女子です。そりゃ殿のお気に入りになるなぁと。ちょっとしたたかさもあって。完璧に計算されていたように思う。驚きました。
後見の右近さんは無駄なくあまり目立たずに動く。春興鏡獅子をぜひみてみたい。

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