明治座 五月花形歌舞伎 昼の部
おさるさまにご招待していただき、再び明治座へ。今度は昼の部を観て参りました。おさるさまありがとうございました。
幕あけは、義経千本桜 鳥居前。浅葱幕が落ちると「若い」。花形っていうより子供感がある。隼人くんは、隼人くん的に驚くほどうまくなっており、米吉くんの静御前は若いのに熟女感がありかつかわいい。種之助くんの弁慶もいい声でした。でもなんといっても若い。若いものだけだと、どうしてこう間に重みがでないのでしょう。きちんと丁寧に演じているのですが。もう5~6年すると立派な花形になると思います。この先が楽しみです。一人一人が大人の中に混じると、うーんと歌舞伎味が増すのですが。源九郎狐は、歌昇くん。キビキビと手足の動かし方がいい。一番花形に近い存在感を持っています。米吉くんの静御前から目が離せません。縛られて取り残されるところに妙にリアル感がある。ほどいてってところに。若い、若いと思わせつつ、結構 集中して魅せられました。
続いて釣女。幕があき、大名某の高麗蔵さんと、太郎冠者の染五郎さんが登場。落ち着きます。染五郎さんは、お昼時から夜の9時までずっと、主役ばかりなのですね。お疲れ様です。上臈は、壱太郎くん。壱太郎くんなら、そろそろ太郎冠者あたりができるのではないでえしょうか。なんといっても、醜女の亀鶴さんが飛ばしていました。狂言好きからみると、もうやり過ぎやり過ぎのオンパレードなのですが、憎めない。愛嬌たっぷりでした。 大名が妻を釣り上げる際に、「見目のよきを釣ろうよ。十七・八を釣ろうよ。」という問題ありげな謡の文句は、常磐津だと余り目立たないものだなぁと思う。
最後に、邯鄲枕物語(かんたんまくらものがたり)艪清の夢(ろせいのゆめ)。はじめてみる演目。洒落っ気たっぷりと書かれていましたが、設定が小学生がいいそうなことでおかしかった。それを大真面目に丁寧に世界を創っていて、大げさな遊び感が愉快な演目。もう少し整理して短くした方が面白いような気もしました。夢の中では追剥でなく追い剥がれ。人に着物もお金も押しつける強盗や、お茶屋で心付けをもらって、花魁へ取り次がれる。お願い、お金をつかわせてーという馬鹿バカしい世界。これは、あまり若さがきにならなかった。鳥追いお七の米吉くんの色っぽさと、傾城 梅ヶ枝よりも、女房おちょうの方がむちゃくちゃ色っぽくなる壱太郎くんから目が離せません。なにやら、魔性の女の要素のある2人です。 歌六さんがでてくると、いいですね。言葉のテンポがいい。鶴の池善右衛門の方のはしゃぎ方が可愛らしかった。亀鶴さんのふんどし六法もいかしていました。吉田屋の前で、きざと呼びかける藤屋伊左衛門になったり、斬られ与三のポーズを取ったり、いろんな芝居のエッセンスが詰まっていて、ニヤっとさせる。面白い演目でした。
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