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2014年6月 7日 (土)

コクーン歌舞伎第十四弾 三人吉三

かつてない『三人吉三』が幕を開ける!と宣伝文句にありました。看板に偽りなし。これは、コクーン歌舞伎というものを積み上げ続けてきたからこその作品だと思った。第十四弾という積み重ねの上で、斬新で粗野で、簡単に人のものを横取りし、運命の歯車が変な方へと走っていってしまう様が非常に面白かった。若者にしかだせない、あやうさが同居した歌舞伎になっていて、大層びっくりした。なんて面白いのだろう。
2001、2007年とコクーンでコクーン歌舞伎による『三人吉三』をみてきた。あの時も衝撃だった。違う衝撃がちゃんとあった。万歳!
大川端まで、丁寧にでもつまらなくならないよう物語が進む。下座じゃないけど、人が鳴らしている音は生の音で、カンカンコツコツ言う音は知っている音で、違和感がなくいい入り方をしてくる。おっと思っていると、物語が進む。十三郎の新悟くんがでてきたのときに、ものすごく歌舞伎感が出た。歌舞伎道まっしぐらで古風で あー いい雰囲気が出るなぁとうまくなったなと思う。鶴松くんのただならぬ色気で、物語がどんどんうごく。そして、有名な大川端。昔、ここで盆が回ったときにどんなに驚いたか、心が思い出した。今回は、七くんの後ろ姿にほれぼれした。手を振り上る。しっかり衣装を着ていても、背骨が 背中の流れがわかるような、リンとした姿だった。しびれた。お坊の松也くんは渋谷っぽい若者のような、ちょっと狂ったような勢いがあった。セリフをよどみなくスラスラと並べたてる。最初は言葉が走っているのかと思ったが、七くんとの掛け合いでテンポを変える演出だとわかってきた。なんだこれ。でもすごくいい。 衣装の斬新な色も効果大である。これを勘三郎がみたら、どんなに喜ぶだろう。そしてもっとすごいところに持って行っちゃうのだろうな。 さぁさぁと盛り上がりに盛り上がった時に、ぱーっと舞台に駆け上がる男。じゃぶじゃぶと池を踏み超え、2人の間に入る。勘三郎が出てきたと思った。そこにいるのはまさしく勘九郎なのだけど、もう勘三郎も一緒に飛び出て来ていて、もう最高潮に胸が熱くなって涙も出てきた。男惚れするのも、もっともな和尚だった。懐が深い男だった。かっこいいなぁ。
お嬢とお坊が出会ったとき、互いに名をなのる。それじゃお前があのお吉なのかと、お互いに一目おく。そこから、この2人の間にちゃんとつながりができていて、お嬢が女装した男という以上の存在になっていて、最後に一緒に死のうとすることが美しくさえみえた。 お嬢とお坊が、和尚を慕い、和尚は大事な2人を守ろうとした。 父を妹を思うが、そちらは幸せにしてやれなかった。やくざな生き方をした報いが自分にふりかかる。それでもお嬢とお坊を守ろうとする。 若々しくて、エネルギーがあふれてしまった三人吉三は、とにかく面白かった。松也くんのお坊の青い感じ、勢いで進んでいく様を魅せていた。やるなぁ。 大森さんが、真那胡さんが吹き込んだ雰囲気も面白い効果を生んだ。音がすごくよかった。
14061 大詰の立ち回りにワクワクした。平場の一番前だったので、舞台と一体化していた。雪の中の大立ち回りの視野というものは、こんなにチラチラしてみえにくいものなのかとびっくりした。カバンの中にも雪がいっぱいはいってた。 ドキドキし、おかしく、ワクワクした。こんなすごいものをみせてくれてありがとう。ばんざーい!

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