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2014年6月 1日 (日)

おかえりなさい&おめでとう六月大歌舞伎

1406 六月大歌舞伎の初日の歌舞伎座へ。昼夜3階の一番後ろから観劇。
なんといっても、おかえりなさい仁左衛門さん!劇場中が熱くおでむかえ。あいかわらずいい男っぷり。まってましたという声と拍手が多く、せっかくの「まっていたとはありがてぇ」がちょっと聞こえにくかったけど、もうそういうのは超えちゃう浮かれ感が場内に満ちていました。あーよかった。
1406_3 夜の部には左近くんの初舞台。俳優祭で見事な幡随長兵衛を見せ、みんなの心を鷲掴みにしたチビっこ左近くん。繁蔵も、立派でした。ちっちゃいのにキビキビ動く。蘭平と繁蔵が、実際にも親子というところが、この芸を受け継いでいくのだと思わせる。曲者が逃げ出したとの知らせに、息子 繁蔵に捜索を命じる。勇み花道を駆ける繁蔵が、かわいくかっこいい。それを心配する蘭平の様子がよかった。後半の大立廻り。かかって行く方もいい。緊張感にあふれ、まかしておけという気迫を強く感じる。全員の信頼感とか、想いのようなものも見せ場のひとつかもしれない。ジーンとする。大立ち廻りの顔ぶれに世代交代を感じる。名題披露した人達は、こういう粋のいい立ち廻りではみないのだなぁと。蘭平物狂は、やっぱりいい。
昼の冒頭の「お国山三 春霞歌舞伎草紙」。若手が沢山でていて、みどころがあり意外と(失礼)面白かった。どうしても天才右近くんばかりみて、なおかつうまいなぁと感心しちゃう。あと米吉くんにただようあどけないのにただならぬ色気に注目。
「大石最後の一日」幸四郎さんは場内が暗い芝居にむいているかも。磯貝の錦之助さんが若々しかった。隼人くんの細川内記も若人らしく品がありよかった。
幸四郎さんの素襖落の後、夜の部最後の演目「名月八幡祭」隣の見知らぬご夫婦が、9時10時代のドラマみたいにドロドロしてきたねと喜んでいました。あーこれ、福助さんでみたなぁと思いかえしながらみる。今回の芸者美代吉は芝雀さん。人をデレっとさせることを平気で言える。色気って、なまめかしいものばかりでなく、こういうしおらしさにも効果絶大。実直な縮屋新助を吉右衛門さんが。来年も、反物を売りに来ますからと最後に格安で反物を置いていく。お代は来年お願いしますと。なるほど・・その信用は気分がいいし、来年も買うのであろうなぁ。行商の手腕に感心。その素朴な新助さんを、芝雀美代吉は悪気なく袖にする、だって田舎ものだから。私が田舎に住める訳がないじゃあないか。奔放というよりもその場しのぎで楽しい方に転がる女。でもいい女。そんな風情がよく出ていた。バチがあたって当然というような悪女よりも、どうしようもない感がいいかもしれない。三次の錦之助さんも、自分の見栄えのよさを認識して真面目なヤツを小馬鹿にしている仕方のなさがでていて、なかなかの悪党でした。裏切られた新助が、心を無くす。深川八幡の祭礼の夜に、祭の乗りと反対に淡々と音もなく狂っていく。2時間という長い演目ですが飽きなかった。魚惣の歌六さんが、すこぶる格好よかった。惚れました。本家がえりした年の祭だからと、はりこんで仕度を整える。田舎に帰るという新助を、だだっこのように祭りをみてから行けと引きとめるところがちょっとかわいい。美代吉に入れあげる新助を心配して、美代吉宅へ押しかけ非道な2人に啖呵をきってみせるところの男っぷりのいいこと。歌女之丞さんとの夫婦のやりとりも素敵でした。
昼の「実盛物語」。義太夫狂言の良さをしみじみ感じました。うまい人達の義太夫狂言って、なんていいのだろう。あらためて、源平布引滝 実盛物語を味わう。実盛は菊五郎さん。しみじみとよかった。これが、生締ものか。語りをきかせるのでなく、小万にまつわる源氏の白旗を巡る琵琶湖でのことを、小万の源氏をおもうが故の出来事を語ってみせる。想いを語っていることがよく伝わって感心した。 特にじーんとしたのが九郎助の家橘さん。ちょびっと泣かされた。小よしの右之助さんとの息も合い、小万を思って泣いたり怒ったりするところが本当によかった。左團次さんの瀬尾は、安心。とくに小万の亡骸をそっと見つめるところや、太郎吉に手柄をたてさせようと話かける優しさが、最初の横暴な振る舞いの後 とても効いていた。いいなぁ義太夫狂言。(の、うまいの。)
11時から21時30分まで、たっぷり歌舞伎漬けの一日でした。

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